安楽死・尊厳死ってなに?何が違うの?

これらぼ

人間誰しも死は逃れることができません。最近、よくニュースや新聞で目にする死にまつわる言葉で「安楽死」と「尊厳死」があります。いったい何が違うのでしょうか。

似ているようで違う? 「安楽死」と「尊厳死」

「尊厳死」とは、人間が人間としての尊厳を保って死に臨むことをいいます。例えば不治の病になった場合、死期を引き伸ばすために様々な延命治療が施されます。これらの延命治療を本人の意思に基づいて断り、自然の経過のまま死に至るもの、これが「尊厳死」となります。

対して安楽死は、患者の「死にたい」という意思に応じて、医師が積極的に患者を死に至らしめたり、延命措置をやめたりすることをいいます。日本尊厳死協会は、死期が近い場合の医療の希望について、あらかじめ書面にしておく「リビングウィル」の普及を呼びかけています。

リビングウィルとは、自分の命が不治のものであり、末期であれば延命治療を施さず、苦痛を取り除く緩和ケアのみを行ってもらうことを記した、いわば「尊厳死の宣言書」です。

日本にはまだ法律はなし 「安楽死」は認めず

また、日本には尊厳死に関する法律はありません。2012年に尊厳死の法制化を考える議員連盟が法律案を公にし、2014年には国会での提出が検討されてきましたが、まだ立法には至っていません。

そのため、実際に尊厳死を希望する患者さんを前にした場合、医師も判断を悩んでしまうという現状もあるようです。現在のところ、終末期での延命措置を中止することについては、本人の自己決定が、幸福追求権に含まれると考えられています。

しかし、命を積極的に絶つ「安楽死」については日本では認められていません。積極的な立法の動きがある一方で、国内では尊厳死法ができることにより、周囲の支援が多く必要な社会的弱者に対しては無言の圧力をかけ、患者が延命を諦めてしまうというリスクもあるではないかという懸念もされています。

尊厳死の法整備が進む海外 安楽死を認める国も

海外では、1977年にカリフォルニア州で自然死法が制定されたのをきっかけとなり、アメリカでは尊厳死の法整備が進んでいます。

欧州でもフランスやドイツ、デンマークなどで延命措置中止を認める法律が制定されています。また、オランダやベルギー、ルクセンブルグでは安楽死も合法化されています。

どのように死ぬのか、自らが決める「尊厳死」。これまでは延命治療しか選択肢がなかったものを、自らの尊厳で死の選択ができるということは、人の生き方、死に方にあらたな希望を与えてくれるのかもしれません。