高齢社会で鍵となる「住宅政策」とは

これらぼ

高齢社会が進む中で色々な課題が注目されていますが、そのひとつが、高齢者の住宅の問題です。時代とともに、高齢者の住まいに関する考え方も変化している現在、どのような住宅政策がなされているのでしょうか。

家族と同居から高齢者のみ世帯へ ライフスタイルの変化から見る住宅事情

以前は、年をとると子どもや孫と同居し、家族による相互扶助が成り立っている家庭が多く、それが当たり前とされてきました。しかし、現在、子どもとは同居せず高齢者のみで生活する独居や高齢者夫婦のみの世帯が増えてきています。

一方、高齢者が住む住宅において「手すりの設置」「段差の解消」「広い廊下」などのいわゆるバリアフリーの対応ができている住宅は、全体の6.7%と非常に少なくなっています。その中でも賃貸物件でのバリアフリー対応住宅は2.6%と、低い傾向があります。このことからも、高齢者をとりまく住まいの環境は必ずしもよいとは言えないのが現状です。

高齢者が安心して住める住まいを確保

厚生労働省では、高齢者の住宅に関する政策として、特別養護老人ホームの充実や、高齢者向け賃貸住宅の普及を掲げています。

特別養護老人ホームに代表されるいわゆる老人ホームには、介護の度合いや健康状態、その目的に応じて様々な種類があり、実情にあった施設を選択することができます。また、高齢者は賃貸物件を借りにくく、さらにバリアフリーが進んでいないという状況を受け、高齢者向けの賃貸住宅の整備も進みつつあります。

公営住宅やUR都市再生機構賃貸住宅などを改装してバリアフリー化したり、高齢者向けのバリアフリー化した物件に整備費や家賃の減額などの助成制度を設けたりして、高齢者が賃貸物件を利用しやすくしています。

さらに、人口そのものは減っているため、やみくもに新築していけばよいというものではありません。既存の物件や自宅のバリアフリー化に対しても減税や融資制度を設け、既存の物件のバリアフリー化を進めていく必要があります。

ハードだけじゃない ソフト面でのサポートも重要

高齢者の安全で安心な住宅を確保するとともに、交通機関、食事、健康状態のチェックなどを提供するサービスの充実も進んできており、高齢者だけでも安心して暮らせる体制が整備されつつあります。

一方で、家族とともに暮らし、介護を自宅で行う場合には、高齢者のみならず高齢者と同居を行う家族に対するケアもきめ細かにしていく必要があります。高齢者の住まいについて選択肢を増やし、その人にあった暮らしが選べるよう、ハードとソフト両面からのサポートが重要ですね。