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高齢者医療に介護保険サービスは機能しているか?

余命宣告を受けたがん末期の高齢の母の最期に際して、利用者の家族の立場に立った筆者が、改めて高齢者における医療・介護保険制度のありかたについて、専門職として考え直した経験を語る。

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介護保険はかゆいところに手が届いているのか?

 前々回の記事で、私は、介護保険の認定調査について提案をしました。それは自身の介護体験からくるものです。

 6月3日に母が亡くなりました。ちょうどそのころ、私は尾崎さんの書いた以下の「風の手帳No.103」からの抜粋記事を読みました。

「心貧しい超高齢社会を悲しむ」

訴訟主義の弊害は介護の社会化を阻む。
ベテラン看護師のAさんは市民とともにNPO法人をつくり、自宅で暮らすがん末期患者のための先駆的なデイサービスを提供してきたが、介護スタッフが目を離した一瞬の隙に利用者の一人が庭に落ちて骨折した。
家族側は賠償金の支払いを請求し、Aさんによると裁判所は家族側の主張を全面的に認め、賠償金3000万円の支払いを命じた。
名古屋高裁の事件とは逆のケースである。
支え合いの社会を自分なりに実現しようとがんばってきたAさんは「こんなはずではなかった」と心が萎え、今年の初めNPOを解散してデイサービスをやめた。
「夢を描いた在宅ケアは幻」に終わったのである。
訴えた家族にはそれなりの事情や訴訟につきものの背景があったにしても、裁判所の判断は介護の社会化に取り組む人々の心をくじく不幸な結果を招いたのではないか。
Aさんは新聞社などの表彰を受けた社会起業家である。
10年間の活動を締めくくる報告書で自分が被告にされた訴訟にはいっさい触れず、こう記している。
「心貧しい大人が増す超高齢社会の日本を想像すると悲しい」と。心のこもったケアを求めるひとにとっても、その担い手をめざすボランティアにとっても。
『月刊ケアマネジメント』6月号 「風の手帖103」尾崎 雄著より一部抜粋

 母のようながん宣告を受けた高齢の患者にとって、はたして介護保険は、かゆいところに手が届くサービスになっているのでしょうか? そう疑問に思うことが度重なり、専門職として、今回皆さんと議論を交わして行きたいと思ったのです。

次のページは・・ 高齢者医療に欠如する情緒的アプローチ

キーワード: 看取り , 介護保険制度

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