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認知症の妻の介護でみえたこと−介護家族と医師の視点から その後 vol.7 失禁

認知症の人の症状や行動で、介護を困難にすることのひとつが失禁です(注1)。認知症の妻の場合も失禁への対応で試行錯誤を繰り返しながらよりよい介護の方法を見出しました。

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転居前

 稀な脳炎(非ヘルペス性辺縁系脳炎)から回復したものの、妻に常時失禁が認められ、退院前にすでに紙おむつを使っておりましたが、歩行できる状態だったので、在宅では当初から使い捨ての「紙パンツ」を使いました。

尿失禁

 市販されている多種多様の紙パンツをいろいろ試しました。着脱しやすく、保水性が高く、パンツ外への尿の漏れが少なく、不快感が少ないと思われる特定の紙パンツを見つけました(注2)。ショートステイでは、保水性を高めるために紙パンツのなかにさらに「尿取りパット」が使われるのですが、在宅では紙パンツのみで対応してきました。当初から認知症の妻が稀ですが、自らトイレで排尿することがあったからです。また紙パンツの交換時に尿取りパットを併用することは介護する私には煩雑と思ったからです。

 紙パンツの交換は、紙パンツを脱ぐといった行為などがない限り1日4回(毎食事前の3回と就寝前の1回)としました。紙パンツを交換することがよく理解できない認知症の妻にとって交換することが、時に不愉快なことも少なくないようです。また介護する私の負担を考えて4回と決めました。食前に新しい紙パンツに替えることで、よりよく食事ができると考えました。

 交換するときは、「ズボンに汗をかいている」と話しかけながら、4点歩行器を両手で持って立ち、後ろからズボンと紙パンツをおろし、新しい紙パンツと尿が濡れている場合は洗濯した別のズボンをはかせます。しかし紙パンツ交換の理解ができない認知症の妻は交換することを拒んだり、嫌がって私を足蹴りすることも稀ではありません。本人が嫌がっているから止めるわけにもいかず、1日4回の紙パンツ交換は力づくでも行わなければならない介護行為で、未だに私にとって在宅介護の大きな心理的負担です。

 就寝中は、たとえズボンやシーツが尿で濡れていても、睡眠を優先して認知症の妻を起こしてまで交換することはしないようにしています。

 以前から側臥位で寝る習慣がついている妻にとって、どの紙パンツも必ずしも合わないのです。市販の紙パンツは側臥位で就寝することを想定してはいないようです。このため衣類や寝具が尿で汚れることが少なくありません。少しでも濡れる範囲を少なくしたいと、敷き布団の上に子供用防水シーツで腰から臀部が当たる部分をおおっています。失禁に伴うシーツや衣類の汚れで洗濯量が増えても、「全自動洗濯機」のおかげでさほど負担は重くはありません。

 紙パンツを使い始めて不思議に思うことは、紙パンツが多くの尿を吸収していても認知症の妻は不愉快さをほとんど示さないし、脱いだりすることがほとんどないのです。尿が紙パンツに多く溜まったからといって、自らトイレに行くこともほとんどありませんでした。尿失禁にほとんど無関心なようです。こうしたことは介護する私にとっておおいに助かるのですが、その姿を見るのは辛いことです。

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キーワード: 介護家族 , 認知症

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