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介護保険制度定着の後 - 現場の変化と実情とは

2000年4月、日本で初めて施行された介護保険制度は、その後定着するにつれて、特に訪問介護では、受け入れる利用者やその周囲にもさまざまな変化をもたらしてきた。熱い思いだけでは継続できにくくなった日々の業務をどう考え、ケアにあったったらよいのだろうか。

「昨夜はコップが定位置に片づけてられてなかったわ!」

 ご夫婦二人暮らし、お二人とも朝昼晩とケースを入れていただいている利用者様の、別居のお子様からの電話。ここのところ毎日、必ず何かしらのご意見・・・が届く。

 ご利用いただいてもう5年目。お父さん認知ありの要介護度3、お母さんも入退院を繰り返しながら、足腰がかなり弱い要介護度1のご家族。ここへきて、お父さんの認知がかなり急速に進んでいて、毎月の担当者会議やケア手順見直し・援助計画の見直し作成、カンファレンス会議などしてもとても追いついていかないくらい、日々の変化が目まぐるしくなってきた。

 そんな状況なので、別居されているお子様が毎日覗いてくださるようになったが、そのお子様から、毎日のように「お願いしたとおりにやれていない」との電話が入る。

 もちろん、やれていないのであればこちらのミスだし、ご家族が不安になられるのもよく理解できる。だから、「本当にすみません」と電話を持ってお辞儀をする・・・。まさか、コップの件で「チームで入るヘルパー全員に、ものの配置を見取り図にしたもので説明をし、同行もかけているから間違いはないはず」とか、「もしかしたら、お父さんが自分で使ったのかもしれないのでは・・・」などとは絶対に言えない。あくまでも詫びて、「全員に周知徹底します」としか言えない。

 そして担当者全員に連絡を入れるのだが、今度はヘルパーさんを疑うような態度も取れないので、「いつもご苦労様やね!!」と明るく声を弾ませながら電話する。これが施設でのことならば、これほど細かくはないのではないか? あくまでも利用者様本人との対応だけでいいのかも・・・などとふと頭によぎる。

 それでも計画書とにらめっこをし、残業代はもらえるかと不安になりつつ、なかなか間に入ってくれないケアマネさんにも電話するのである。

次のページは・・ 強まる権利主張・・介護保険法が施行された当時と今

キーワード: 訪問介護 , 介護保険制度

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