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家族介護者を支える仕組み作り - 名古屋市瑞穂区の取り組み vol.3

前回書いた「オレンジカフェ」開催にあたり、「模擬オレンジカフェ」という、ホリデープランのお試し会を5月末に開催した。このプレイベントを開いたのは、本番の「オレンジカフェみずほ」開催へ向けて、モニター役や運営スタッフに参加してもらうことで利用者側の視点を盛り込み、カフェの担い手となる協力者を得ることが目的である。

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プレイベント「模擬オレンジカフェ」開催の目的と概要

 前回と話が前後して恐縮だが、オレンジカフェを開催するにあたり、5月25日に私たちはデモ開催として、「模擬オレンジカフェ」というプレイベントを開いた。その目的は、

  1. 私たちと共に担い手となってくださる市民の方に、利用者側の目線に立った生の意見を出していただき、企画に反映させていく
  2. 実際にロールプレイを行い、担当者同士でイメージ・ビジョンの共有を図る
  3. オレンジカフェ本格開催時に協力いただける市民ボランティアを募る

である。

 当日は、オレンジリング取得者(認知症サポーター)で利用者モニター役である14名と、運営スタッフ8名が参加する運びとなった。モニターの皆さんに体験していただくために設定したプランは以下の通りである。

場所

主要駅から徒歩5分以内の民間介護事業者の研修室(40名ほどが入れる)

内容

  • 認知症をテーマにしたミニ講座(30分程度)
  • コーヒー・紅茶・ソフトドリンクを用意した無料ドリンクコーナー
  • 認知症デイの利用者が作ったお茶請け用のクッキー
  • 介護に関する情報コーナーとして、専門書籍も含めた閲覧コーナー
  • おしゃれなテーブルクロスや花を飾った、談話スペースを3ヵ所(本番は5時間程度の開催を予定しているが、今回は1時間半縮小版で実施)

 今回の企画の概要の説明とひと通りの内容を体験していただいたのちに、3つのグループに分かれて40分程度の意見交換会を行った。

次のページは・・ ミニ講座や認知症デイからのクッキー提供など、今後に向け方向性が決まる

ミニ講座や認知症デイからのクッキー提供など、今後に向け方向性が決まる

 そこで出た意見は以下のとおりである。

  • オレンジカフェを知人に勧めるには何か目玉になるような催しがあると声がかけやすいので、今回のミニ講座のようなものがあるとよい
  • 講座の時間は長すぎないほうがよい30分程度で集中して聴けたのでよかった
  • 講座は、もっと聞きたいくらいがちょうどいい
  • 飲み物やクッキーの提供があるなら、無料よりも少し料金を取ってもらったほうが気兼ねなく楽しめる
  • エレベーターがない3階での開催なので、年寄りには負担が大きい
  • 興味を持った本があったのでその場で買えるとよい
  • 本の紹介など簡単な内容のインフォメーションがあると手に取りやすい

 これらの意見をもとに、私たちスタッフで今後のオレンジカフェの方向性をまとめてみた。

  • 認知症に関する関心は高いので、認知症をテーマにしたミニ講座は本番でも実施。ただし、時間は短めにして、参加される方にわかりやすい内容になるよう工夫する。
  • 参加者の興味・関心に幅広く対応できるよう、開催時間内にミニ講座を3本ほど用意する。
  • 飲み物は、これから暑くなることを想定して、冷たいものも用意する。
  • 認知症デイの利用者がつくったクッキーも好評だったため、継続する。認知症の方にクッキーを提供していただくことで、他者が楽しんでいただいたという事実をお礼として返していけるのはよい。
  • 会場は駅に近い、駐車場に近い、などのメリットもあるが、3階という点で足の悪い方には負担が大きい。案内の関係で次回は場所を変えられないが、検討の必要がある。
  • 書籍コーナーも関心のある方から好評で、タイトルや出版社を控えていらっしゃる方もいた。次回にはおすすめポイントなどの、内容に関するインフォメーションもあるとよい。
  • 本の貸し出しや購入の希望は管理が難しいため、紹介・閲覧までにとどめる。

次のページは・・ オレンジカフェを通じて地域づくりの担い手を生み出したい

オレンジカフェを通じて地域づくりの担い手を生み出したい

 模擬オレンジカフェを開催してみたことで、本番に向けたイメージがメンバー間でより具体的に共有することができた。また、当日ボランティアとして参加していただく方にも声をあげてもらうことができた。

 本番に向けて、改めて考えなくてはならない課題も残された。それは、この取り組みの継続的な担い手をどうするか、ということである。

 冒頭にオレンジリング取得者で私たちと共に担い手となっていただける方、というふうに書いたのだが、実際のところ明確なメンバーはまだ見えてこない。

 計画では市民の手で、とされているが、地域活動においてこのような活動の担い手は不足している。その背景には、取り組みを行う上での連携や支援の在り方・仕組み等がうまく機能していないという問題がある。これは多くの他の地域でも議論されていることだ。

 今回のこの瑞穂区の取り組みにおいても、地域における活動や取り組みに参加・協力をしてくれる担い手をいかに育んでいくかが大きなテーマだ。

 「オレンジカフェみずぼ」の取り組みを通じて、計画の区切りとなる5年後に、行政・事業者・専門職・地域に住む市民が、バランスよく地域づくりの担い手として機能する未来を描けるきっかけとなるよう、慎重に1歩1歩進めていきたい。

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キーワード: 介護家族 , 認知症

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