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食材減量不正、その根っこにも目を

大阪の老健施設で、外部事業者による給食サービスの食材減量不正が発覚し、大きな問題となっています。介護保険外の自己負担が発生する施設の食事において、こうした不正は利用者にしてみれば大きな契約違反となります。また、利用者への栄養管理自体が意味をなさなくなるという点では、介護サービス全体への影響も無視できません。今回はたまたま事業者側の管理栄養士が気づいたことによって発覚しましたが、「気づかぬまま」となっている事例が他にもあるのではないかと考えてしまいがちです。こうした不正が日常茶飯事とならないために、現場として描きたいビジョンを掘り下げてみましょう。

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今回のような不正が起こる2つの要因

 今回のような不正ケースのすそ野が意外に広いのではないかと懸念する背景には、2つの要因があります。1つは、円安や天候不順などによって食材価格が値上がりし(流通にかかるガソリン代の高騰も気になります)、事業者側の収益が厳しくなっている状況です。ただし、原価の高騰は経営努力や正当な価格交渉で吸収するのが当然であり、今回のような不正が許されるわけではありません。

 そこで気になるのが、もう1つの要因です。それは、介護サービスを運営する側のチェック体制が弱く、そこに不正体質のある企業がつけ込んでいるのではないかという点です。組織内のさまざまな問題だけでなく、今回のような外部事業者の動向を含めたチェック体制を確立する場合、常に起こりうるトラブルのリスクを想定し、そこに的確な人員配置などの組織整備を行なっていくことが必要です。

 ここに、介護現場の慢性的な人手不足や経営難による組織構築の薄さが生じたとき、しかるべき管理者がしっかりと事業体制をチェックすることが難しくなります。もちろん、組織(法人)のトップがしっかりした危機管理能力を持っていれば、「この部分が緩めば事業は崩壊する」ということを認識しつつ、限られた経営資源での努力を維持することは可能です。しかし、このトップの考え方から組織が緩んでしまえば、なすすべはありません。

次のページは・・ 内部リスクの蓄積が顔をのぞかせた?

キーワード: リスクマネジメント , 経営

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