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平成26年度版の厚生労働白書が公表されました。健康寿命の増進が大きなテーマとなっていますが、老年期になってからの介護予防の取り組みなどもさること ながら、若い頃からの健康増進への取り組みも大きなポイントとなります。そして、「若い頃」からの健康増進において欠かせないのが、職場での取り組みで す。ここでは、介護・福祉の現場における課題と、それが国民の健康増進にどうかかわっていくかを考えてみたいと思います。

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社会福祉施設の労災死傷者が急増!

 まず注目したいのが、労働災害における死傷者数の推移です。平成23年の調査(震災を直接原因とするものを除く)を見ると、10年前と比較して全業種では1割近く減少しています。ところが、第三次産業では逆に1割以上の増加が認められ、特に社会福祉施設においては+144.7%と2倍以上に伸びています。 社会福祉施設には、数多くの介護現場が含まれることを考えると、老年期の健康増進を担っている職種において、皮肉にも健康増進とは逆のベクトルが強まって いるわけです。

 この異常な伸びにつながっていると思われるのが「腰痛」です。平成23年の社会福祉施設における腰痛発生件数は、10年前と比較して 2.7倍に急増しています。介護保険制度のスタート・普及により、従事者数が増えたのと職員のヘルスケアへの意識が高まったことで「腰痛」に対する申し出 数が増えたという見方もあるでしょう。それにしても、この急速な伸びを見過ごすことはできません。

睡眠や栄養の乱れも腰痛リスクを押し上げる

 腰痛に関しては、体重がある利用者の無理な介助という「引き金」になる原因に目が行きがちです。その部分にさまざまな介助機器を導入することは、確かに腰痛防止への一定の効果をもたらすことになるでしょう。

 しかし、それはあくまで「引き金」部分への対応に過ぎません。腰痛に関しては、たとえば睡眠サイクルや栄養状態などが乱れることにより、 潜在的なリスクを高めることが知られています。精神的なストレスなども、自律神経の乱れを生み、腰痛を起こしやすい状況を作ってしまうことがあります。

 つまり、介護現場における腰痛というのは。その業務のあり方すべてにかかわってくる問題といえます。たとえば、直接介助業務がほとんどないケアマネであっても、ストレスを抱えたままハードなデスクワークを続ける中で「腰痛」を訴えるケースもあります。

 となれば、介護現場の業務全体の流れを一つひとつ精査していく中で、どこでどのようにリスクが高まるのかをチェックすることが欠かせませ ん。人手不足から一人にかかる夜勤業務などが増えた場合でも、腰痛リスクにつながります。水面下でのリスクが膨らんだ結果、誰かが腰痛でリタイアするとし ます。すると、別の職員への業務負担が増える→腰痛リタイアが雪だるま式に増えていくという悪循環が生じやすくなります。

次のページは・・ チェックが行き届かない現場も増える危険

キーワード: リスクマネジメント , 人材マネジメント

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