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介護報酬マイナス改定がおよぼすものとは?

衆院総選挙は、与党が3分の2の議席を獲得する圧勝となりました。直後に報道されたのが介護報酬の引き下げです。厚労大臣は記者会見で「引き下げ決定」について否定していますが、財政健全化を強く掲げる政権が基盤を固めたことで、9年ぶりのマイナス改定が現実味を帯びてきたことは間違いありません。

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地域によっては深刻な介護資源の不足も

 仮にマイナス改定が提示された場合、政権側が持ち出すと思われるのが、「景気回復が遅れている中でのさらなる消費増税の延期」という論旨です。つまり、「消費増税が延期された分、プラス改定は我慢してもらう。将来的に増税を進めてプラス改定につなげるのなら、まずは景気回復のためにお金を使うのが先決」という流れで訴えていこうとするでしょう。

 しかし、この論旨には矛盾があります。マイナス改定となった場合、事業者側は徹底した経営の効率化を図ろうとするでしょう。その結果として、利用者密度が低い地域を対象としたサービスから撤退を図る事業者が出てくるかもしれません。大手としては、加算取得を目当てとするべく、必要な人員体制の抱え込みに入ろうとする場面も増えるでしょう。

 つまり、地域によっては、介護保険によるサービス資源やそれを担う人的資源が足りなくなるわけです。その隙間を担おうとする事業者はいるでしょうが、「苦しくても地域のために」という志のある良心的な事業者は、生き残るのは困難になってくるかもしれません。

 むしろ、地域の窮状につけこんで、制度外の「住まい提供」などで利用者のなけなしの資産を吸い上げようとする悪質なビジネスだけが残ってしまう懸念も生じます。そうした悪疾な事業者を規制するのが地方行政ですが、「背に腹は変えられない」という意識から排除していこうとする姿勢が緩みかねません。

次のページは・・ 介護軽視は、経済政策を重視する施策と矛盾

キーワード: 介護報酬 , 介護保険制度 , ケアマネジャー

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