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地域包括ケア病棟は機能しているか

大切なのは真の患者ニーズへの対応

 しかし、大切なのは、その中で患者側が求める医療ニーズがきちんと叶えられているのかどうか、また、それに現場がきちんと対応できるしくみになっているかどうかです。地域包括ケア病棟の在宅復帰率(自宅のほか、在宅強化型老健や居住系介護サービスを含む)を見ると、施設要件を大きく上回っています。行き先が「自宅」だけでも、63%に達しています。この数字を見ると、早期の在宅復帰というニーズだけは果たされているようです。

 問題なのは、在宅復帰後の医療や介護にきちんとつなげるための退院支援のしくみです。地域包括ケア病棟では、専任の在宅復帰支援担当者を1人以上確保することが要件となっています。その担当者による退院支援の状況を見ると、「退院支援で困難を感じる点」として「患者1人あたりの退院支援に十分な時間を割くことができない」といった悩みが目立っています。このあたりの課題がクリアされないと、「在宅復帰ありき」という病棟側の都合だけが先走り、その後の在宅継続が保障されないというリスクも生じかねません。

退院支援のフォローは本当に万全なのか

 今回の調査で感じざるをえないのは、病棟側の在宅復帰支援担当者の悩みなどを取り上げる一方で、「では、それをどうやってフォローしているのか」という部分への切り込みが不足している点です。退院支援の中身としての「多職種カンファレンス」は取り上げられてはいますが、そこで在宅側の職種(たとえばケアマネなど)がどのようにかかわっているのかまでは踏み込んでいません。

 在宅での安心を高めるための地域包括ケア病棟であるなら、在宅医療・介護側が同病棟を「本当に頼れる存在」と見ているかどうかが大きなポイントとなります。たとえば、在宅復帰後も病棟側と連携がとれるしくみがあり、在宅療養に必要なケアマネからの相談などにのる機能があるかどうか。「在宅への送り出し」だけがミッションとして先走ってしまえば、「地域包括ケア」という理念が看板倒れになってしまう恐れもあります。そのあたりの検証が今後は求められてくるでしょう。

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キーワード: 地域包括ケアシステム , 医療と介護の連携 , 地域密着型

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