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成年後見制度のこれからを考える

2000年にスタートした成年後見制度は、保佐・補助などを含めた利用人数がのべ18万人に達しています。ただし、認知症者の数(約500万人)と比較した場合、3%(知的・精神障害がある人まで含めた場合、その2%)程度に過ぎません。課題はどこにあるのか。後見人等による不正問題や、今般成立した成年後見制度の関連法なども含めて考えます。

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後見制度支援信託というしくみはあるが……

 公表されている不正件数の推移を見ると、2011〜2014年で500件以上の増加が認められます。被後見人の財産保全を強化するべく、後見制度支援信託というしくみもあり、導入された2012年以降に申立件数が急増しました。ところが、皮肉なことに、不正もそれに合わせて増えたという状況になっています。

 ちなみに、後見制度支援信託とは、被後見人の財産のうち、日常的な支払いをするのに必要な金銭を預貯金として後見人が管理し、通常使用しない金銭を信託銀行等に信託するしくみです。信託財産を払い戻したり、解約する場合には、家庭裁判所が発行する指示書を必要とします。また、本人に臨時収入などがあって後見人が管理する金銭が多額になった場合は、後見人から追加信託の報告がなくても、家庭裁判所が追加信託を指示できます。

 しかし、先に述べたように、この後見制度支援信託で制度利用者が増える一方で、不正への十分な抑止効果となるわけではありません。不正による被害額の1件あたり平均は約570万円なので、信託金額の平均約3,600万円からすると、「信託されていない預貯金」が狙われるという可能性もあるでしょう。

次のページは・・ 今国会で成立した2つの制度関連法案

キーワード: 事件・事故 , 政府 , 認知症

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