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通所介護議論は、環境変化を視野に

介護保険部会の取りまとめ意見では、軽度者(要介護1・2)の生活援助や通所介護の地域支援事業への移行は、とりあえず見送りとなりました。しかし、財務省側の「どうしても進めたい」という思惑が強いことに変わりはありません。そうした中、通所介護が背負いつつある環境変化に着目してみます。

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2016年度診療報酬改定での維持期リハの状況

 病院医療から在宅医療、そして介護現場へという、いわば「ドミノ倒し」的な流れが加速していることは、2016年のニュース解説でも何度か述べてきました。2018年度の介護・診療報酬のダブル改定では、その流れがさらに激しくなることは間違いありません。

 すでに、「激しい流れ」が既定路線になっている部分もあります。その一つが、2016年度の診療報酬改定で示された「要介護高齢者に対する維持期リハビリ」です。現在、標準算定日数を超えている維持期リハビリは、1月13単位(1単位20分)と算定が限られています。これに加えて、先の改定では1単位あたりの点数が9割から6割へと激減しました。

 その医療機関で介護保険リハビリの実績がない場合はさらに所定点数からの引き下げとなりますが、これも9割から8割へと厳しくなっています。そして、この13単位の算定も2018年3月末までの期限が切られています。

 2018年度のダブル改定時には、要介護者の維持期リハビリを介護保険が担う比重が一気に高まるのは明らかですが、その流れはすでに始まっているわけです。介護保険のリハビリサービスでは、リハビリマネジメント加算の拡充と、その中での医師の関与が大きなポイントとなりましたが、このあたりも上記の診療報酬改定の流れに直結するといえます。

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環境変化の中で基本報酬減がもたらすもの

 さて、通所介護を「リハビリの先にある社会参加の機会」と位置づけるなら、上記の診療報酬改定から始まる流れは、当然通所介護にも影響をおよぼします。具体的には、(1)受け入れた段階での利用者の状態像が変化していること(獲得できている生活機能がまだ不安定というケースも増えるなど)、(2)(1)を頭に入れた場合に上流にあたる医療との情報連携が今まで以上にカギとなってくることです。

 2018年度の通所介護にかかる報酬・基準の改定では、このあたりの加算を手厚くしたり基準を厳しくすることを、厚労省としても描いているでしょう。と同時に、そうした加算要件・基準をクリアできなければ、基本報酬の引き下げや減算規定などによって減収となるしくみを強めることも予想されます。

 問題なのは、どんなビジネスでもそうですが、環境変化に対応するには、そのための体制整備にかかる事前のコストが必要だということです。加算はあくまで、体制整備という土台ができた上の「建物」にあたる部分であり、土台がきちんとできていなくては、上部の「建物」は常に崩れるリスクを抱えることになります。その土台づくりに必要なコストは、当然基本報酬でまかなうことになります。

通所現場の負担がどうなっているか検証を

 以上の点を考えたとき、医療再編がもたらす環境変化を頭に入れれば、「基本報酬をカットした分、重度化防止の加算でまかなう」という単純な構図は通用しません。小規模通所の参入規制も、利用者状況の変化を十分にくまなければ、重度化防止を支える受け皿をぜい弱にするだけで終わるリスクもあります。

 また、2017年度は処遇改善加算にかかる期中改定が予定されています。先に述べた医療系リハビリの報酬カットがすでに始まっている中では、それが介護保険の通所リハビリ・通所介護にどのような影響を与えているかを考慮しないと、業務負担と処遇改善のバランスは崩れたままとなります。つまり、処遇改善の上積み効果は中途半端となるわけです。

 年明けからの介護給付費分科会は、当然、中医協の議論も横目で見ながらの進行となります。そのとき、ここまでの診療報酬改定が、介護現場にどのような影響をもたらしているかという分析も十分に行なう必要があります。冒頭で述べた「総合事業への移行」も、それを前提としたうえでの議論が望まれます。

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キーワード: 介護報酬 , 介護保険制度 , デイサービス

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