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生産性よりも健全性を優先した議論を

2018年度の介護報酬改定に向け、介護給付費分科会の議論が再スタートしました。10月27日の会合では、それまでの議論をふまえた「基本的な視点」が示されています。その中から、生産性の向上というテーマに注目しましょう。

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介護業務の「生産性」に付きまとう負の構図

 介護現場における重い療養ニーズの拡大などで、サービス提供にかかる事故やトラブルのリスクは明らかに高まっています。そうした中で、介護業務に「生産性の向上」という概念を付するというのは、どのような意味があるのでしょうか。まずは、「生産性」という言葉そのものにスポットを当ててみましょう。

 あらゆる産業において「生産性」というのは、従事者一人あたり、あるいは時間単位あたりの収益力を高めることを意味します。ただし、介護保険は社会保険事業であり、収益力の拡大は「保険料の高騰や財政負担の軽減」というミッションに吸収されてしまいます。

 それゆえ、「生産性を上げて事業を拡大しよう」というインセンティブにはなかなか結び付きません。介護報酬のマイナス改定がささやかれる中では、「厳しい中でも事業を継続していく」というネガティブな目標を背負わざるを得ないという苦しさがあるわけです。

 この構図は誰が見ても明らかであり、そうした業界に若い人が自分の未来を託すかといえば、「難しい」と言わざるを得ないでしょう。ICTやロボット導入、あるいは科学的介護という近代化のイメージをどんなに打ち出しても、先の構図が変わらない限り、人材確保の困難さは変わる余地がありません。まず、この点から目をそらさないことが大切です。

次のページは・・ 国の目指す効率化では追いつかない現場事情

キーワード: 介護報酬 , 自立支援 , 介護保険制度

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