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地域のSW機能を高めるための道筋

東京都の高齢者福祉施設協議会の調査によれば、都内の特養ホームの約7割が「入所の際は要介護度を優先させている」といいます。介護報酬上のインセンティブなどが影響していると思われますが、「本当に入所が必要なケース」が取りこぼされる懸念が強まっているのかもしれません。施設側のSW機能の充実などを求める声もある中、こうした状況を介護保険全体の課題として考えてみましょう。

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施設内SWも「組織の一員」、頑張りにも限界

 基本報酬が引き下げられ、経営維持のために(日常生活継続支援加算など)重度者要件の確保に力点を入れざるを得ない──仮に施設側のSW機能の強化を図ったとしても、この点が改善されない限り、状況の改善を図ることは難しいでしょう。なぜなら、施設のSWも「組織の一員」であり、「経営悪化を防ぎ、全従事者の処遇も改善しなければならない」という名分の前では、「利用者の事情」だけを押し通すことは大変に難しいからです。

 こうした課題は、今回の特養ホームの話に限ったものではありません。自立支援にかかるインセンティブの議論でも指摘された話ですが、事業所・施設によるクリームスキミング(サービス需要のうち、収益性の高い分野だけに資源を集中させること)の圧力は常に付きまといます。特に収支がぎりぎりの状況になりがちな場合、いわゆる「収益を度外視する」ことへの自由度はどうしても狭くなります。結果として、利用者(顧客)の事情は「後送り」となってしまうわけです。

次のページは・・ SWを「組織の論理」から「利用者主体」へ

キーワード: 地域包括ケアシステム , 特別養護老人ホーム , 多職種連携

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