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介護事故防止は今や最優先課題に

事故防止が進まないと自立支援施策も厳しく

 確かに、「最初からそこまで規模を広げれば、調査にかかる財政負担も大きくなるので非現実的」という見方もあるかもしれません。しかし、自立支援にかかるデータベースの構築や自治体への多額のインセンティブ交付金を打ち出している点を考えれば、「介護事故調査にかかる財政負担が重荷となる」という理屈は矛盾するのではないでしょうか。なぜなら、事故によって利用者の心身に重大な影響が及べば、それはそのまま「自立支援・重度化防止」に逆行することになるからです。

 自立支援と介護事故防止は、まさに車の両輪であるという考え方が自然であり、両者をきちんとリンクさせることが、結局は利用者の生活の質の向上に結びつくことになります。つまり、ADL向上に特化しがちな自立支援策に「介護事故防止の理念」をプラスすることで、本来の介護保険の理念(利用者の尊厳保持の実現)に近づけることができるわけです。

 また、厚労省は介護職のイメージ刷新を進めようとしていますが、そこには処遇改善はもちろんのこと、「安心して従事できる環境整備」が欠かせません。その一つは、「利用者の安全確保のために強い緊張感の持続が必要となる環境」を改善することがあります。その点で、介護事故防止に向けた取組みは、現場の人材確保とやはりセットになるわけです。

 以上の点を考慮すれば、利用者と職員の安全・安心確保に向けた介護事故防止策は、極めて優先度の高い施策と位置づけられるべきです。その際には、介護施策全体の組み換えも必要になるかもしれません。しかし、次期改定等で現場環境がさらに厳しくなる中、施策側にそれだけの覚悟が必要になっているのが現実です。この点を忘れてはなりません。

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キーワード: 事件・事故 , リスクマネジメント , 有料老人ホーム

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