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介護保険法改正案が衆議院を通過

介護保険制度の改正案を含めた「地域医療・介護総合確保推進法案」が、2014年5月15日衆議院本会議で与党多数の賛成で可決されました。今後、同法案は参議院で審議が行われます。今回の法案は、介護保険法のほか医療法など10数本の法律の改正を目指した一括法ですが、衆議院の厚生労働委員会で審議された時間は、6日間で合計28時間。これで十分な審議時間と言えるのかどうか。これまでの審議の状況を振り返りつつ考えてみたいと思います。

13日の厚労委員会では参考人招致も

 今回の法案審議で、議論が集中したのは「要支援1・2の予防給付の一部が地域支援事業枠(新しい総合事業)に移行する」ことです。この点について、13日には、様々な立場の専門職・有識者が参考人として招致されました。

 まず、山崎泰彦・神奈川県立保健福祉大学名誉教授から、「介護保険はそもそも地方分権の試金石として誕生したものであり、地域支援事業の枠組みを活用した予防給付の見直しは、本来介護保険が目指していたものに合致する」という旨の意見が出されました。

 次に、大学でケアマネジメントを教えている傍ら、自らもケアマネとして実務を担っている服部万里子氏が参考人として発言しました。服部氏は、「居宅で介護保険を利用されている人の3割は要支援1・2」としたうえで、「その85%の人が利用するサービスが予防給付から外されることは、現場のケアマネジメントに大きな影響が及ぶ」としています。

12日の地方公聴会でも様々な意見が

 この他にも、「各市町村に入れば様々な問題がある。国によって示されたサービスをいかに地域で再構築していくかが重要」という意見が見られました。また、認知症の人と家族の会の理事からは、「現状で要介護と認定されても、認知症の人を家族がみていくのは難しい。新制度では地域で暮らしていくことはできない」という切実な声も出されました。

 このように、参考人からの意見も温度差が見られます。さらに、12日に開催された地方公聴会でも、「人口が減って高齢者が増えている自治体ではサービス格差が生じる」という意見のほか、「市町村の取り組み方がカギとなる」旨の発言もありました。

 いずれにしても、今回の制度改正によって、(良し悪しの方向性はあるものの)地域のあり方自体が大きく変わっていくという予感を多くの人々が持っています。介護が当事者やその家族だけでなく、(若い世代を含めた)誰にとっても大きくかかわらざるを得ない時代の中、「介護保険制度はどうあるべきなのか」は全国民の切実な課題と言えるでしょう。

 そうした重要な法案であるからこそ、本来であれば地方公聴会やタウンミーティングにもっと時間を割きつつ、国会審議に反映させていくべきではないでしょうか。

次のページは・・ 拙速な審議は、かえって財政負担を増やす!?

キーワード: 介護保険制度

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