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高齢者を守る新しいパートナーを

デイサービス事業を運営する会社の役員が、いわゆるヤミ金融業務を行なったとして逮捕されたというニュースが上がっています。容疑者は介護事業にはほとんど関わっていなかったとされていますが、名義上とはいえ、経営陣の一人が反社会的行為にタッチしていたことは、介護業界全体のイメージに大きな影を落とすことになります。しかも、年金で生活する高齢者をターゲットにしたという点で、介護保険サービスに貧困ビジネスが入り込むスキがあることも示しています。

利用者を囲いこんでの反社会的行為も!?

 現行の介護保険制度では、法人役員の中に「禁錮以上の刑を受けて、その執行を終わるまでの者」あるいは「介護保険法、その他保健医療福祉に関する法律により罰金刑を受けて、その執行を終わるまでの者」がいる場合、新たに事業者指定を受けることはできません。

 しかし、反社会的行為が表沙汰にならなければ指定取り消しなどは行われません。たとえば、今回のようなケースではないにしても、利用者を囲いこみ、現場のサービスの陰で貧困ビジネスなどを展開した場合、それが発覚する前に「利用者の財産が詐取されてしまう」というパターンは考えられます。

 こうしたケースは防ぎようがないのでしょうか。考えたいのは、少なくとも反社会的行為を早期に発覚させて、利用者への実害を未然に防ぐということです。たとえば、別法人のケアマネなどが第三者の目をもって、包括や行政と連携しながら、利用者を守っていくしくみを整えていきたいものです。

貧困ビジネスへのチェック体制をどうするか

 問題なのは、施設やグループホーム、小規模多機能型など、ケアマネジメントの入口からサービス提供までが同じ法人内で完結してしまうケースです。居宅であっても、同じ法人によるサービスだけが提供される場合は、同様のケースが起こりえます。一法人で完結するサービス体制を疑うわけではありませんが、そういう「しくみがある」こと自体、反社会的な存在が見えにくくなるスキにつながります。

 そこで考えたいのは、介護保険サービスが「貧困ビジネスの受け皿」となりうる可能性を見据えたうえで、どうやってチェック体制を強化していくかという点です。サービスへのチェック体制としては、現在も第三者評価事業や介護相談員派遣事業などがあります。しかし、事業者側が強い悪意による「隠ぺい」を行なった場合、警察の強制捜査のような権限がないゆえに、被害の発覚までに時間がかかってしまうことも起こりえます。

 必要なのは、一人の利用者に対して、継続的・多角的にかかわり、たとえ受けるサービスが変わろうとも、その人に常に寄り添える体制づくりです。理想をいえば、最初に要介護認定を受けた段階から「ずっとかかわれるパートナー」のような存在を設けていくことです。居宅のケアマネや対象者が生活保護を受けている場合の行政ケースワーカーなどが近い存在といえますが、それぞれの職責を考えた場合、現場に荷重な負担がかかる恐れも出てきます。

次のページは・・ 経済被害防止版の包括などはできないか

キーワード: 見守り

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