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介護保険制度改正法案、参議院審議スタート

次の介護保険制度の改正を含めた、「地域医療・介護総合確保推進法案」は、参議院に審議の場が移りました。この段階で、議員に配布する資料において厚労省側による大きなミスがあり、参議院での審議がスタートできない状況が続きました。2014年6月2日、参議院の厚労委員会において、今回のミスに関する事務次官の参考人招致が行なわれ、ようやく参議院での審議が始まりました。衆議院では「強行採決」となったわけですが、参議院では腰を据えた審議が行われるのかどうか。当ニュース解説でも、審議の状況を取り上げたいと思います。

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19本の一括法案に「無理」があるのでは?

 まず、今回の厚労省側のミスについて、質問に立った議員からは、「本来は19本という別個の法案を無理やり一つにまとめたことにより、事務方にオーバーワークが生じたのではないか」という趣旨の発言が出ています。確かに、医療関連と介護関連の施策は切り離せないものはありますが、そのことと多くの法案を取りまとめて一気に審議してしまおうとするのは意味合いが異なります。

 医療も介護も、国民の暮らしと命にかかわる重要な課題です。だからこそ、一つひとつ丁寧に法案を精査していくことが必要ではないでしょうか。その点で、今回の厚労省のミスは、法案に隠れた「無理」が表に出てきたという見方もできるでしょう。仮に今回の法案が成立したとして、具体的に施行していくうえでの省令などを設けるうえでも、同様の問題が起こる可能性は捨てきれません。そうした事態が起こった場合、しわ寄せは現場にもたらされます。先行きのリスクを見据えたうえでも、改めて個別法案として丁寧に審議してもらいたいものです。

要支援者へのサービスが「画一的」?

 そのうえで6月2日の参議院厚労委員会の審議に目を移してみます。まず、今回の法案でもっとも注視されている「要支援者の介護給付の一部(訪問介護と通所介護)を地域支援事業の枠(新しい総合事業)に移す」という点です。これについて、厚労大臣からこんな趣旨の発言がありました。

 それは、「要支援者の人に提供されるサービス、たとえば予防通所介護においては、そこで行われるサービス内容が画一的であり、それを不満とする声も上がっている」というものです。そのうえで、「地域の多様な資源(NPO法人が運営する高齢者サロンや利用者が主体的に参加する様々な活動の場)を、地域の高齢者ニーズに合わせて適用していくが必要である」と述べています。

注意したいのは、介護給付にかかるフォーマルサービスと、地域の多様な資源にかかるインフォーマルサービスの関係を国がどのように見ているのかという点です。大臣の発言趣旨に沿うならば、「フォーマルサービスは画一的であるから、その不満を解消するのが今回の改正趣旨」という意味に受け取れます。

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キーワード: 介護保険制度

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