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利用者から見たサ高住の判断材料は? - サ高住はほんとうに大丈夫か?vol.3

最終回では、危ういサービス付き高齢者住宅の乱立を防ぐには、どのような方策が必要か考えてみた。

「大丈夫」にするための3つの解決策

 サービス付き高齢者向け住宅は本当に大丈夫か。どうやったら大丈夫になるのか。その方策について検討したい。

1:「サービス付き」のサービスと、介護保険給付をきちんと区分する。

 サービス付き高齢者向け住宅の特徴の一つは、安否確認や生活相談などの「サービス」がもともと装備されていることである。そしてそれは無料であり、居住者が等しく享受できるものである。

 一方、介護保険サービスは利用者の選択により、各々のサービス提供事業者と契約の上で取り引きが行われるものである。この介護保険サービスの形態には現在さまざまなものが採用されているが、いずれにしても、元々付属していたものではなく、「わざわざ契約して追加した」オプショナルサービスであることを忘れてはならない。

 入居したことにより当然に受ける権利のあるサービスと、追加オプションが同列に考えられてよいはずがない。この区分がきちんとなされない限り、不毛なサービスの消化が後を絶たない結果と相なる。

2:介護保険サービスの授受にはケアマネジメントをしっかりと機能させる。

 前回紹介した事例、ケース1と2は、サービス付き高齢者向け住宅の不備(あるいはそれを通り越して不当または違法)であると同時に、ケアマネジメントの敗北でもある。ケアマネジャーが法の理念と規定に基づき、利用者の立場を代弁しながら、ケアマネジメントを展開することができるなら、本来発生しないケースであろう。

 またケース3にしても、夜間における十分な介護体制を装備するケアプランが作成されるなら、状況は大きく緩和されるに違いない。

 ことの是非はともかく、我が国の介護保険制度は、介護支援専門員によって展開される介護支援サービス(ケアマネジメント)が常にその中心に存在するように設計されている。これを現実的な観点から言うと、利用者の望む暮らし実現や人権の擁護の鍵を、ケアマネジャーが握っているといっても過言ではない。

 ケアマネジメントが今以上に強力に介入することができるなら、サービス付き高齢者向け住宅側の「自己都合」を蹴散らし、利用者のアドボカシーのために効果を発揮することが可能になると思われる。

 もちろんこのような観点から考えると、ケアマネジメントの発展・向上への期待は甚だ大きい。我が国の介護保険制度が、すべての国民にとっての恩恵となるためには、ケアマネジメントの制度的充実と、ケアマネジャー自身の鍛錬努力によるグレードアップが不可欠である。

3:出来高報酬型と包括報酬型サービス等の住み分けと利用者へのわかりやすい表示方法を構築する。

 1で見たように、サービス付き高齢者向け住宅に付属する介護保険サービスの形態には、現在さまざまなものが採用されている。これは大きく、次の3種類に区分される。

・出来高報酬型

 訪問介護、通所介護、福祉用具貸与等の区分支給限度額内で計算するサービスの組み合わせをケアマネジャーが行う。区分支給限度基準額内であると、利用者負担は一割。ケアマネジャーは利用者が選択できる。

・包括報酬型

 特定施設入居者生活介護。○○単位/1日という計算となる。介護保険施設や認知症グループホームと同様であるが、「ハコ物」が特定されない。したがって、サービス付き高齢者向け住宅も可。他の居宅サービス等は大きく制限される。区分支給限度基準額とは無関係。ケアマネジャーは選択できない。

・上記の組み合わせ

 定期巡回随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護等。支給限度額内で計算するが、そのサービスと契約すると、他の類似のサービスの利用が制限される。出来高報酬型と同様に、区分支給限度基準額内であると、利用者負担は一割。利用者がケアマネジャをは選択できる場合と、できない場合がある。

 現在ではこの3種類の形態が、主にサービス付き高齢者向け住宅の事業主の意思による選択にて採用されて利用者に提供されており、現実的には利用者の選択の幅は極めて狭い。もちろん契約の際に、利用者は十分な説明を受けているはずであり、納得のうえで契約の意思を示しているはずだ。しかし、「なぜこんなお金が必要なのか」、「なぜ受けたいサービスが受けられないのか、逆に不要なものを押しつけられるのか」といったトラブルの元となることが多いと思われる。

次のページは・・ 利用者にはせめてわかりやすい説明を

キーワード: サービス付き高齢者住宅 , 独居 , 見守り , ケアプラン

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