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なりふり構わぬ社会保障費の抑制−社会保障あれこれ vol.3

来年度の介護報酬改定に向け、財政制度等審議会において財務省から思い切った提案が行われ、話題を呼んでいる。社会保障費抑制の既成事実化が進む文脈のなかで、介護保険もその例外ではないことが明らかになってきたといえよう。

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既成事実化が進む社会保障費抑制

 昨今、社会保障に対する財政当局の締めつけがすさまじい。財務省は、安倍首相が本心ではやりたくないのではないかと推測される平成27年10月からの消費税率の10%への引上げを何としても実現するべく、そのことが不可避であることを国民に理解してもらうために、国もまた既にあらゆる努力を払っていることを示すために、あるいは万一消費税率の引き上げが延期された場合の財政的な痛手を少しでも減らすことなども考慮に入れて、社会保障改革国民会議や経済財政諮問会議などを周到に操りつつ、さまざまな社会保障抑制策の既成事実化を進めているようだ。

 実際、10月8日(水)の財政制度等審議会財政制度分科会に提出された財務省主計局資料を見てみると、大がかりなものからみみっちいものまで、生煮え・思いつきのようなものから昔から云っているお馴染みのものまで、制度的合理性のあるものから制度の経緯や論理を無視した筋悪のものまで、スローガンだけで実効的な方法を伴わないものから制度さえ変えれば確実に財政効果が上がるものまで、社会保障費抑制策の総ざらいと云ってよいほどの網羅振りである。
参考:財政制度分科会 資料1 社会保障1(総論、医療・介護、子育て支援) http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia261008/01.pdf

 元来、財政当局は強固な壁として、予算要求する各省の前に立ちはだかったものであった。その壁は、単なる財政の論理にはとどまらず、わが国社会の基本的な在り方や各制度の論理も踏まえた部厚いもので、各省との政策論議にも中身があったように思う。だが特に最近、彼らが打ち出す抑制策のなかには国の負担を減らせるのであれば何でもよいといった、従来の制度を支えた論理など眼中にない、形振り構わぬものが増えてきたように感じる。しかし“社会保障費抑制策”も、小手先の財政対策ではなく、制度の論理をしっかり踏まえ、社会保障改革の見取り図のなかに正しく位置づけられるものでなければ、その傷口から病巣が拡がり、制度が壊れてしまうおそれがある。

 そういう観点も踏まえながら、本稿では、「社会保障1」と題された上記資料から介護保険部分を取り上げて見てみよう。

次のページは・・ 介護報酬の改定について

キーワード: 介護報酬 , 介護保険制度

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