介護職の想いをつなぐ介護職のウェブマガジン

介護施設に株式会社参入、介護はどう変わる?

公正取引委員会が9月5日に発表した「介護分野に関する調査報告書について」で、多様なニーズに対応していくため、介護施設への株式会社参入という案が挙がっています。さまざま案が出されている中、実際に株式会社が参入することで高齢者サービスの質は上がるのか。また、どんな問題が懸念されるのかなどについて考察していきたいと思います。

関連記事:介護の費用について

関連記事:施設の組織力アップを図ろう

関連記事:介護業務を構成する「感情労働」に注目

介護事業の特性と株式会社参入における懸念点

 一番ハッキリさせておかなければならないのは、介護事業がモノつくりやサービス業と異なり、例えばAという施設が人気だったとしても利用人数を増やせないということです。介護サービスは利用人数によって、施設の占有面積や人員配置が決まっています。そのため、希望者がいても施設の面積が変わるわけではなく、また、どんどん人手を増やすことはできないのです。

 独特な良い雰囲気を持っていても、新しい利用者や職員が入ることで以前と同じレベルのサービスを保てなくなることもあります。これが、人間相手のサービスの難しいところです。実際に参入したとしても、補助がなければ介護特別老人ホームと同じ価格帯で同等以上のサービスはできないという営利法人が少なくありません。これで「自由競争」といえるのでしょうか。

 また、多くの職員の手がとられる“処遇困難者”を避けるということも考えられます。規制緩和によって参入した新規事業者が,収益性の高い分野にのみサービスを集中させるクリームスキミングへの対応も必須となるでしょう。現在でも、身元保証人がいない人は入所しにくくなっています。民間の株式会社が収益を考えるのは当然ですが、ペイしなくても必要とされているサービスは多いのです。

 入所者の人生を考えると、施設が倒産することは社会的に問題があります。しかし、例えば銀行などのように公共性が高いことを理由に、経営が失敗しているのに税金からの補助金が入るということになると、自由競争とはいえなくなるでしょう。もし倒産したとして、そのとき入居している人たちが困らないように受け皿を作りながら、経営を立て直すか、あるいは別の施設に転所できることを確約しなければなりません。

次のページは・・ 年金額による入所施設の差と課題

キーワード: 政府 , 経営 , 介護保険制度

この記事はいかがでしたか?感想を残そう!

この記事の感想は?

大賛成 0
賛成 0
中立 1
反対 0
大反対 0

== オススメ介護求人 ==

みんなのコメント

コメントをもっと見る

こちらの記事もどうぞ

  1. 注目資格!介護福祉経営士とは?

    • ●1
    • ●0
    • ●0
    • ●0
    • ●0
    • 0
ページの先頭に戻る