介護職の想いをつなぐ介護職のウェブマガジン

インセンティブによる仕事の評価

ケアマネジャーや介護福祉士、ヘルパーにとって、利用者が自立して慣れた場所で過ごせるように支援していくことは、仕事における大きな喜びの1つです。しかし介護度が改善すると、介護報酬が下がってしまいます。職員の努力で介護度が改善すると介護報酬が減ってしまう。これは、事業所にとっての悩みです。その対策として、インセンティブをつけるという案が「未来投資戦略2017」に盛り込まれました。どのような効果や問題があるのか、必要な評価はどんなものなのかについて、少し考えていきましょう。

関連記事:みんなお家がいいんです

関連記事:生産性よりも健全性を優先した議論を

関連記事:施設職員が考える、介護士の専門性

インセンティブの課題

 インセンティブにはいくつかの形があります。例えば介護度が一つ改善されたら奨励金がつく、これに加えて計画書に対し補助金を出す、成果に繋がったプロセスと職員の取り組みを評価する、あるいは職員に研修会でより高いスキルを身につけてもらうなど。このインセンティブに関する考え方は、目に見える形で「成果」が評価されるため、やる気が出やすくなるでしょう。ただし、実施する際にはいくつか課題があると思います。

 例えばADLが改善したものの介護度改善まではいかないという場合、評価には繋がりません。要介護認定より、さらに細かい項目を作っているところもあるようです。また、計画書では項目をまたいでしまう事項が多く、どこに書くのか判断が難しいこともあります。介護度を改善にするには、一人ひとりのADLに異なる目盛りをつくらないと難しいかもしれません。

 また、介護度が重くならないようにと、現状キープが最大の目標になっている人の方が多いのではと思います。この場合も介護度改善は難しく、職員の労力の割にインセンティブに結びつきません。

 こうした背景から、介護度改善だけで職員のモチベーションアップを目指すことは、少しハードルが高いのではないでしょうか。人間の身体状況を数値化することは、本当に難しいのです。その解消のため、計画書の内容に加えて「日々それをどのように行っているのか」を基準に用いるケースもあります。これはとても良いと思いますが、判断する側には膨大な人手と時間が必要でしょう。

 インセンティブは「自立度」「改善」に対して行われているもの。しかし、最終的には利用者の死でサービスが終わります。この中でいつまで「自立」を目指した対応をするのか、確認しておく必要があるでしょう。看取り加算もありますが、「単に死を施設で看取った」ということではなく、「本人がやりたいことができ、苦しみが少なく、人生の最後を豊かにできる支援をしたか」ということを評価することが重要です。

 例えば本人と職員、医師、家族の間でよく考え、そのためにはどうすれば良いのかを検討して計画書に書いておきます。それに対し、どれくらい達成できたのかを評価していくことも大切なのではないでしょうか。

次のページは・・ 研修によるモチベーションアップ

キーワード: 介護スキル , 自立支援 , 要介護

この記事はいかがでしたか?感想を残そう!

この記事の感想は?

大賛成 0
賛成 0
中立 0
反対 0
大反対 0

== オススメ介護求人 ==

みんなのコメント

コメントをもっと見る

こちらの記事もどうぞ

  1. 該当する記事はありません
ページの先頭に戻る