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介護保険の2割負担は適正か

2015年8月より介護保険サービス自己負担について、一部の利用者が2割負担となり10ヵ月が経過しました。2割負担の対象者は第一号保険者本人の合計所得が160万円以上、かつ、同一世帯の第一号被保険者の年金収入+その他の合計所得金額が単身で年収280万円以上、2人以上世帯で年収346万円以上が対象とされ、被保険者の上位20%にあたる層が対象とされました。また居宅介護支援費について自己負担の導入が検討されており、ケアプランの有料化はいかがなものかと議論が沸き上がっています。介護保険法に関する自己負担について果たしてどのように捉えるべきなのでしょうか。

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介護保険は老化のリスクヘッジ

 そもそも介護保険法の目的とは何でしょうか。私は「老後、安定した生活が送れるようにすること」この一言につきると解釈しています。では安定した生活を送るためにはどうしたらいいのでしょうか。

 保険制度は金銭面でのリスクヘッジです。介護保険制度では、老化というリスクに対して介護サービスを給付するという損害拡大防止策をとっています。他の民間保険との違いは、加入者からの保険料のみでなく国からの税金が投入されていることです。つまり介護保険制度のもと、国家単位で高齢者のリスクヘッジをしているのです。リスクヘッジは安定した生活のための大事な要因であり、介護保険制度により高齢者の生活は安定していると言えると私は考えます。

国という単位で見ると?

 さて、高齢者の生活は安定していると言いましたが、国という単位ではどうでしょうか。介護保険サービスは介護サービス事業所が商品(サービス)を提供し、それに対し高齢者が対価(自己負担)を払います。そして保険者からサービスの保険給付分を介護サービス事業所に払います。その保険給付分の50%が税金です。その税金は全国民から徴収されたものです。

 つまり介護保険制度は高齢者のリスク回避のため、全国民で支えるといった内容であることがわかります。

 では国民の資本はどこにあるのでしょうか? 家計調査報告(貯蓄・負債編)−平成26年(2014年)平均結果速報によれば、世帯主の年齢各級別に平均貯蓄額は以下のようになっています。

 世帯主の年齢階級別貯蓄(万円)

  • 40歳未満:562
  • 40〜49歳:1,030
  • 50〜59歳:1,663
  • 60〜69歳:2,484
  • 70歳以上:2,452

 貯蓄額のみで言うと、ほとんどの資本は40歳以上に集中しています。保険給付の50%が税金からという現状は、貯蓄額の低い40歳未満の世帯の生活にとって、安定していると言えるのでしょうか? 介護保険制度に焦点をあてると、資本を持つ者に資本が流れていることがわかります。今後活躍が見込まれる40歳以下の世帯に資本を分配し、国家を成長させることこそが、本当に必要な事だと私は考えます。そうでなければ、国民総生産の増加は見込めず、介護保険制度並びに国家の慢性的な死が待っているだけでしょう。

次のページは・・ 安定した制度にするには

キーワード: 政府 , ケアプラン , 介護保険制度

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