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「つながるケア」で地域をそのまま介護施設に vol.3

菅原さんは7月に藤沢の団地のなかに小規模多機能の新しい事業所を立ち上げるため、急ピッチで準備中です。その原動力となっているのは生まれ育ったこの町への熱い想い。地域の仲間たちとつくった「絆の会」の存在とそこで生まれた多くの出会いがきっかけです。新しいスタートを切った菅原さんに今後の夢について伺いました。

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地域の「人」と「人」がつながる。「絆の会」から生まれた新たなムーヴメント

 東日本大震災後の被災地への支援活動を通じて、「人」と「人」とのつながりの大切さを、あらためて実感した菅原さんは、自分の暮らしている地域で、もっと多くの人たちとつながりたいと、友人3人とともに「絆の会」を始めました。

 きっかけは、菅原さんと幼なじみでヤマト住建株式会社神奈川支店に勤務する磯野享史さん、被災地ボランティアで出会い、同じ藤沢で小規模多機能「おたがいさん」を運営する加藤忠相さんとの3人の飲み会でした。

 その場で話が盛り上がり、「絆」from湘南〜熱き志をもつ仲間のKAIをFacebookで立ち上げ、告知することにしました。すると、なんと18人が参加表明! 以来仲間がどんどん増え、月1回開かれる集まりには常時50〜60人ほどが集まるようになりました。

 この会には、介護・医療などの専門職のみならず、NPOの理事、幼稚園の理事、メディアクリエイター、プロパフォーマー、プロドラマー、和菓子職人、大工、弁護士、税理士、ファイナンシャルプランナー、一流ホテルマン等々、ありとあらゆる職種の人たちが集まってきます。ときには市長や国会議員が顔を出すことも・・・。

 「この会のルールは、いたってシンプルです。“地域に対して熱い志を持っていること”“人として誰もが対等であること”。職業や年齢を問わず、だれでも“さん”づけで呼び合います。肩書はいっさい関係ありません」

 集まった人たちが、それぞれ抱いている地域への夢や想いを熱く語り合い、そのなかから自発的にさまざまな活動が生まれればいい。だから、会の代表も事務所も置きません。

 実際、絆の会でつながった人たちそれぞれが、自由にさまざまなイベントや活動を行い地域に貢献しています。

 「鎌倉戦隊ボウ・サイダー・プロジェクト」はそのひとつ。

 「津波が来たらみんなで逃げる」という釜石の教訓を湘南にも伝えたい。一人ひとりの防災意識を高めることが最大の震災対策になる。子どもたちに「防災」を知ってもらい、震災時、子ども死者ゼロを目ざそうと考え、ボウ・サイダーを売り出しました。このサイダーは、20,000本売れたら大成功といわれる業界の常識を超え、年間25,000本と、販売実績を着実に伸ばしています。

 夏の湘南ビーチで行われる「絆祭」も恒例のイベントとなりました。昨年の参加者数は180人に上るなど、盛り上がりを見せています。大人も子どもも参加でき、多世代が交流できる「場」として、このお祭りがよいきっかけとなっています。

 また、小規模多機能型居宅介護の存在や特徴を周知するイベントもこの会から発信されました。すでにイベントは60回を超え、今年の初めには小規模多機能型―全国大会in藤沢も開催されるに至りました。小規模多機能におけるケアの実践と可能性の周知にひと役買っています。

 「この会を始めるまで、同じ想い、温度感をもっている仲間がこんなにたくさんいたとは思ってもみませんでした。みんなが損得なしに活動し、ここで学び合い、吸収し合い、発信していこうとしています。専門職という殻に閉じこもるのではなく、それぞれが立場を越え、『人』と『人』として、今できることを考える。みんなで一緒に地域でアクションを起こす。可能性は無限大です! ジャンルにかかわらず、地域の『人』同士がつながれば、きっと日本の未来は変わると思います」

次のページは・・ 自費での生活リハビリも取り入れ。“好きなこと”の支援を継続したい

キーワード: 小規模多機能

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