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施設職員が考える、介護士の専門性

お年寄りの介護において、介護職員の「専門性」とは何なのでしょうか。ケアマネジャーはケアのマネジメント、ケアプランの作成のための情報収集。看護師は医療的処置や、ご利用者の既往と現状をはかり、医師との連携を行う。他にも、理学療法士、栄養士、生活相談員など、介護に携わる職種は現在多数存在していますが、こと「介護士」に関して考えてみると、「介護をする人」とはわかるものの、専門性が何であるかと問われると、どうでしょうか? そこで今回は、介護士の役割と専門性について、考えてみたいと思います。

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ご利用者をみるという専門性、伝えるという役割

 まず初めに「介護士」とは造語です。さまざまな言論の場で「介護士」というワードがよく用いられますが、通常は、介護福祉士の略称として「介護士」と用いていることが多いようです。しかしここでは、介護福祉士の略ではなく、「お年寄りの介護職に従事している者」という位置づけで、「介護士」という言葉を敢えて使用させていただきたいと思います。

 介護士は、ケアプランの作成はしません。医療行為もできませんし、本格的なリハビリテーションもわかりません。しかし、これらのどの行為をとっても「ケア」であることに相違はありません。ですから、介護職員=ケアワーカーとした場合、どの行為にも多少なりとも関わりますし、介護士は必要とされています。

 施設の介護現場でよくあることの一つに、便秘に対しての下剤対応があります。

 便秘3日目、4日目、5日目……と日を追うごとに看護師と相談し、頓服の下剤調整や、時には浣腸を検討します。

 毎日さまざまなご利用者の便秘対応を考えているうちに、多種ある下剤の種類や効能は全て頭に入っています。その気になれば浣腸や摘便もできるかもしれません。しかし、実際に下剤を決定するのは看護師であり、浣腸や摘便を行うのも看護師です。

 早くご利用者に便秘解消してもらいたいのに、看護師に適便してもらうのを、介護士はただただ待つしかありません。

 同じ「ケア」なのに、介護士にはできないことがたくさんある……。いいえ違うのです、役割が違うだけで、「できないこと」という解釈ではありません。「ご利用者の情報を伝える」というところに主眼を置いてみると、このことももっとすっきりします。

 ご利用者の便秘の傾向を看護師に伝える。その方に最も適した便秘対応を看護師に提案する。

 「ご利用者の日常」に最も長い時間接している、介護士にしか解り得ない情報を、必要とされる他職種へ伝達する。これは、介護士にしかできないことです。

 介護士の周りには他に多くの職種が存在します。ケアマネジャー、看護師、相談員……。これら他職種の方に、それぞれの専門性を発揮してもらうための情報伝達をする役割。介護士の役割は「日常のケアをしっかりみること」に加え「他職種への情報伝達」が求められるのではないでしょうか。

次のページは・・ 専門性と役割を発揮する対象は、ご利用者とそのご家族へ

キーワード: 介護スキル , 特別養護老人ホーム

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