介護職の想いをつなぐ介護職のウェブマガジン

何処へ向かうのか、介護保険

私のように在宅介護を職業にする場合、資格取得をするにあたってのテキストには必ずこう書いてあります。「年をとっても認知症になったとしても住み慣れた地域で自宅で暮らせるように……」 そう、介護保険の始まりは「在宅生活を支える」が大きな目的だった筈です。しかしその目的と現実とには、ギャップが存在するのではないでしょうか。

関連記事:介護保険法改正から見る今後

関連記事:日中独居高齢者がどんどん増える

関連記事:入浴介助を通じて個別性のあるケアを行うことの難しさを知る - 「ミライ塾」塾生体験記 vol.6

脅かされる在宅生活の支援

 行政の計画には、「ヘルパー(訪問介護員)を10万人養成」とはっきり盛り込んでありました。しかし、実際のヘルパー受講者は予想を上回り、認定資格(試験によらないもの)だった為もあって、予定の2倍近い人数がヘルパー2級を取得しています。受講した人の中には、職業にはしないものの、今後生活していくうえで役にたつのではという方も多数。それも、「自宅で老いていく」という目標・目的のかたちといえると思います。

 しかし、この「在宅生活を支える」という部分が、かなり脅かされてきているのです。

 これまで軽度と判定された方(要支援1・2)を介護保険からの切り離すことは、すでに閣議決定されて2017年度からの施行。そして新たに議題としてあがってきているのが、「要介護1・2の方々へのヘルパーによる家事援助の禁止」ということです。ヘルパーは家政婦ではないのだから、掃除や洗濯といった家事を行うのは介護ではない……ということなのでしょうか。そもそも、自宅で暮らしていくのには何が必要なのか。これについて、まずは「衣食住」ではないかと考えます。

 年を重ねれば、どこが悪いというわけではなくとも、少しずつ何かするのが億劫になったり、ひとつの行動に時間がかかったりします。例えば毎日風呂を沸かし入浴したり、着替えた衣類を洗濯したり。あるいは、米を研いで食事を用意することさえ、

 「ほんの少し手伝って貰えたら、楽に生活できるのに。」

 と感じるようになっていくのです。認知症になっていなくても、あるいは慢性的な持病を抱えていなくても、年をとるというのはそういうことではないでしょうか。

次のページは・・ 短い支援期間で施設入所となった事例

キーワード: ヘルパー , 要介護 , 介護保険制度

この記事はいかがでしたか?感想を残そう!

この記事の感想は?

大賛成 1
賛成 3
中立 1
反対 0
大反対 0

== オススメ介護求人 ==

みんなのコメント

コメントをもっと見る

こちらの記事もどうぞ

  1. 家族も支えたい

    • ●2
    • ●0
    • ●0
    • ●0
    • ●0
    • 0
ページの先頭に戻る