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介護という職場について

介護の職場には、大きく分けて2つの分野があります。それが「施設介護」と「在宅介護」。現在、両分野で共通の問題は離職率が高いということです。年間で約20万人が専門学校や養成講座で資格を取得。しかしいざ介護職として働き始めても、そのうち3割以上の人が2年以内に離職してしまっています。人が定着しない職場はいつでも新人育成を行っているため、そちらに手と気をとられて、本来の介護という仕事がバタバタとしてしまうでしょう。余裕を持って利用者と向き合うことができず、結果、良い介護ができない職場となってしまいます。

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離職率を引き上げる給与問題

 いったい、どうして離職率が高くなってしまうのでしょうか。まず考えつくのは「お給料が安い」ということです。

 介護に限らず、お給料が安い仕事は魅力が減ってしまいます。ましてや、介護現場では「人の命を預かる」という重大な責任を負っているのですから困ったものです。大体、どれくらいのお給料で働いているのか。恐らく施設介護従事者の場合、1ヶ月で約30万円程度でしょう。

 パッと見ると、そんなには安くないという印象を受けるかもしれません。しかしこれは、1ヶ月に5〜6回の夜勤を行った場合の話です。そしてその内容は、先にも述べた通り命を預かるものとなります。

 全てとは言いませんが、施設に入所されている方は「認知症」を患っている方がほとんどです。認知症の人は注意して生活することができませんので、職員が生活全てに注意を払わなければいけません。歩行すれば転ばないように、玄関から外出し迷子にならないように、食事をすれば喉に詰まらせないように……。自分の体の不調を訴えることもできないため、普段から様子を観察し、風邪や胃腸炎等不具合を早期発見するシステムを作ることも求められるでしょう。

 しかしそれでも、事故は起きてしまいます。すると「何故事故は起きたのか」「責任をとるべき人は誰なのか」ということに。このような重大なリスクを負っていて、この金額なのです。果たして「安くない報酬」と言えるか。この点に不満を抱いている方は少なくないでしょう。

 次に訪問介護分野、一般的にいうホームヘルパーのお給料は、平均月収で10万円に満たないというのが現実です。これは施設介護と違い、時間拘束ではなく、訪問した件数や時間によるものという働き方・働かせ方があるから。例えば朝に1件1時間の訪問を行い、夕方にも1件1時間の訪問をしたとします。お給料は訪問件数や時間によって計算されますので、どうしてもまとまったお給料にはなりません。

 それでもライフスタイルによっては、こういった働き方を望む人もいることでしょう。だからこそ成り立っているのですが、時給1,000円程度で利用者の健康状態にまで気を配る仕事。もちろん認知症の方もいますので、その症状に合わせた対応をしなければいけないのです。人によっては、「スーパーやコンビニのレジの方がずっと気楽」なんて思ってしまうのではないでしょうか。しかし、だからこそ職場環境を整えて、報酬額だけではなくやり甲斐の得られる職場作りに取り組んでいかなければならないと思うのです。

次のページは・・ 職場環境を変えることで改善できるもの

キーワード: リスクマネジメント , 離職 , ヘルパー

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