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介護保険は自立支援ではなかったのか

このところの介護保険制度の改正や方向を見ていると、介護保険法がその理念から離れていってしまっているのではないかと感じます。特に次回改定について耳に入っている内容は、信じがたいものです。訪問介護員、いわゆるホームヘルパーは“お手伝いさん”ではありません。ですから、掃除や洗濯等の家事援助で訪問するのはおかしいではないか。また、介護なのだから、仕事は身体的援助に特化するべきではないかというもの。そんな介護保険の現状について、少し考察してみます。

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介護を取り巻く2つの事例

 例えば寝たきりの人は、身体介護だけの訪問でもヘルパーの助けがあれば同居家族の介護負担軽減も図れるため、その考えも通るのでしょう。しかし、例えば身体的には何も心配のない認知症の一人暮らしの人の場合、身体介護はほとんど必要ありません。

 とはいえ、生活上の援助がなければ、在宅での生活は不可能に近いと思われます。排泄は自立していてオムツの使用は必要がないが、時おりトイレを汚してしまう。食事は提供されれば自分で食べることができるが、調理する事は難しい。あるいは「お風呂の用意ができました」と声をかければ、衣服を自分で着脱して入浴できる。このような人であっても、認知症があると1日の時間の流れや一連の行為すべてを行うことは難しく、安全の面でも見守りと声かけが必要です。

 ではこういった人の場合、何か身体介護が必要なのか。または、援助なしに一人暮らしの継続は可能でしょうか。こんな例もあります。

 とても料理が好きで、いつでも食べたい物は自分で調理。「好みの味付けで食べるのがいちばん幸せ」と言っているものの、心臓が悪いうえ高齢によって足腰が弱くなってしまい、長い時間台所に立っていられなくなりました。その方には、買い物と調理の援助を行っています。

 台所に椅子を置き、本人は立ったり座ったりしながら一緒に台所に立ちます。野菜を洗ったり切ったり本人の希望を聞きながらヘルパーが行って、味付けは本人にしてもらいます。この方の場合も、身体介護の請求は起きてきません。しかし、ヘルパーの訪問はなくてはならないものです。

次のページは・・ もしも生活援助が認められなければ……

キーワード: 自立支援 , 認知症 , 介護保険制度

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