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施設介護がアットホームにならないのはなぜか

施設介護には、生活の場としてアットホームさを求められることが少なくありません。しかし実際のところ、これはなかなか難しいことと言えるでしょう。ここでは施設を主に老人介護を目的とするものとして指し、その要因や現状について考えていきます。

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行政からの要望と現実のギャップ

 老人介護を目的とした施設でも、特養とよばれる特別養護老人ホームやケアハウスのような軽費老人ホーム、比較的入所する人の少ない小規模多機能型と、数えあげればきりがないほど多種多様。そして入所されてる方々の介護度や障がいのかたちも、同様にさまざまです。身体的な部分での介助を必要とする方が多い施設、身体的にあまり不具合はないものの認知機能の低下が著しい方が中心の施設、また、受け入れ人数の多い施設ではその両方が多く入所してていることも珍しくはありません。

 いずれの施設であっても、ほとんどは自宅で生活できない、あるいは24時間誰かの見守りがなければ危険といった状態の方々が生活しています。ですから介護保険制度の定める基準により、365日・24時間職員が交代で勤務しているのです。しかし入所されている方にとっては生活の場であり、国では「できる限り家庭的な雰囲気を」と求めてきます。つまり、「楽しく笑顔で場の提供を目指してください」と言うわけです。しかし、それが非常に難しいだということは、施設介護の経験はなく同僚の働く姿を見ている私ですら理解できます。

 施設介護に求められることは、第一に「安全」でしょう。これはどのような形態の施設であっても間違いないと思います。体が不自由で、お風呂や食事、トイレにお手伝いが必要な人、車椅子で生活している人、自分が誰なのか分からなくなるほど認知症の進んでしまった人など。そんな方々がひとつ屋根の下で暮らすのですから、それをお手伝いしながら安全を確保することはとても大変なはずです。それは、精神的にも肉体的にも言えることでしょう。

 それでも仕事として取り組んでいることですから、よほど「嫌だ」と思えば辞めることも可能です。ですからある程度、割りきった考え方はできるでしょう。少しくらい辛いと思っても、「どうしても嫌いだ」とまではいかない方々が介護職として働いているのだと感じます。しかしそれでも、行政が求めるような『アットホームな雰囲気』まで辿り着けないのは、なぜなのでしょうか。

次のページは・・ なぜアットホームな環境が実現できないのか

キーワード: 特別養護老人ホーム , 小規模多機能 , 認知症

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