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行き場のないお年寄り

年末に辛い経験がありました。それは健康ではないものの、病気を患ってはいないため、預かってもらえる場所がないというケース。まさに行き場をなくした状態を目の当たりにして感じたことを、詳しいケースを取り上げながらご紹介します。

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100歳の誕生日を迎えた「おじいちゃん」

 その利用者さんは満100歳の男性。とても穏やかな性格で、家族が「おじいちゃん」と呼びます。そのため、ヘルパーも愛称で「おじいちゃん」と呼ばせていただいていました。この方の利用歴は長く、10年近くにもなります。

 それでも最初はご本人ではなく、奥さまへの仕事のご依頼でした。高血圧や心疾患などがあり、たくさんお薬が処方されています。しかし一包化してもらってもきちんと服薬できず、服薬確認と身の回りのこと、水分補給を含めた訪問依頼でした。

 このとき「おじいちゃん」は90歳を超えるご年齢でしたが、軽い糖尿病の薬以外は服用しておらず、身体はどこにも不具合がありませんでした。むしろ、歩行が不安定なうえ、若干認知症の症状の出ていた奥さまの食事の世話をしていたのです。

 そんな「おじいちゃん」もよる年波には逆らえず、少しずつ足腰が弱くなります。ある日、よろめいて尻餅をつき骨折してしまいました。家族もスタッフも「もう家には帰れないだろう」と思っていたのですが、ちゃんとリハビリして2か月後には在宅復帰。このとき95歳です。その後、妻の入所、そして死別を乗り越えて、無事に自宅での生活を続けていました。

 6月生まれの「おじいちゃん」は昨年にめでたく100歳の誕生日を迎え、デイサービスで誕生日会を開催。自宅には市長がお祝い状を持って訪問してくれました。印象に残っているのは、誕生日会の最後にしっかりとお礼の言葉が言えたこと。ご本人も感無量だったのでしょう。涙声で「ありがとうございます!」とおっしゃっていました。

 満100歳ですから、そのお子さんたちもお年寄りです。いろいろ気にかけてはいますし、介護に必要な物や金銭的な負担は手助けしてくれます。しかし、おむつ交換や入浴等、実際身体に触れる介護は行うことができません。1日3回のヘルパーの訪問で身の回りのことを、週1回の訪問看護による体調の確認、やはり一週間に1度の訪問入浴、そして月1回の主治医による往診と、ほとんど全てを外部からの訪問系サービスで支えてきました。

次のページは・・ 現れ始めたカラダの不調

キーワード: 看取り , ヘルパー , 要介護

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