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これからの介護を考える

変わりゆく介護保険制度と課題・不安

 介護保険制度は、安心して老後を過ごせるための制度として理念は変わりません。しかしその方向性は、度重なる制度改革を経て随分と変化したように感じます。

 施行当初は在宅介護中心、家で暮らすのに不便なところを重点的にフォローし、少しでも長く自宅で暮らしてもらうためにどうするかという考え方が主流でした。しかし現在、「どのような施設を選ぶのが最もこの方にふさわしいのだろうか」という考え方が多くなっていると感じます。

 介護保険の最初の考え方である「歳をとっても認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らす」。これは素晴らしいことですし、理想でもあります。それでも、もし住み慣れた地域に知り合いが誰もいなくなってしまったら? 自分らしくといっても、自分が誰なのかわからなくなってしまったら? ……そんな不安は、本人だけでなくその家族にも広がります。

 だからと言って、誰もが施設に入れば安心で安楽だとも言いません。できれば一人ひとりのこれまでの人生歴や性格等を考慮し、少しでもその方、できればその方の家族にとっても理想に近い老後生活を選ぶことができたらと思うのです。例えば本人・家族が望むのならばギリギリまで、できれば看取りまで家で過ごせるよう、気ままに施設と自宅を行き来しながら安心した生活が確保できるのならそのように…など。

訪問中心の介護では難しい

 現在でも地域密着型や小規模多機能、お泊まり型デイサービス等、随分と多種多様になってきています。しかしそれでも、介護度や金額など、なかなか難しい問題もかかえているようです。私は2000年、介護保険制度スタート時から訪問介護でのみの経験ではありますが、こうして職を通して時代の流れを見ていると、訪問介護は先細っているように感じます。

 高齢者の人数は増えていますが、お元気な方が多く、ギリギリまで自力でなんとか自宅で暮らせている方は多いでしょう。ヘルパーの手を借りながら、自宅で生活する期間が短くなっているのです。しかしギリギリまで自力で出来ているということは、そのすぐ先に「自宅では無理」の状態が迫っているのです。

 そこで最近、「介護を訪問中心に考えるのは無理なのではないか」と考えるようになりました。もちろん、本人・家族がそれを一番に望むのならば、それはそれで良いでしょう。それでも在宅を中心に介護を組み立てると、ヘルパーやデイサービス、ショートステイが関係してきます。最近ではこの3つのサービスについて、よく定員割れという話を耳にします。それはやはり、要介護人数が増えているのに大して、在宅の人数が減っているからではないでしょうか。全国の統計ではまだ在宅要介護者の人数が施設入所を上回っているようですが、地方の実態は少し違うようです。

 この先、団塊の世代と言われる方々が高齢者になり、また随分と介護への考え方に変化が起きてくるでしょう。しかし、現在のように利用限度額が細かに決められていたり、利用までの手続きが煩雑であったりしたのでは、保険料ばかりで利用しづらい介護保険になりかねません。制度そのもので理想を定義するのではなく、サービスを利用する方の理想を叶えてあげられるような介護保険を目指して、これからの介護を考えていけたらと思います。

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キーワード: 介護予防 , 要介護 , 介護保険制度

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