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在宅介護を諦めるとき

私の働いている訪問介護ステーションは特別養護老人ホーム付設のステーションで、居宅介護支援センターと包括支援センター、デイサービスも併設されています。そんな中で長く訪問介護の仕事をしていて思うのが、「やっぱり人は自宅で暮らすのが一番自然で幸せなのだな」ということ。しかし中には、在宅介護を諦めざるを得ないこともあります。

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施設で生活するということ

 からだの具合が悪くなったり認知症になってしまったりすることで、自宅で生活することが難しくなり、施設入居となる人は珍しくありません。少し前であれば、

 「年老いた親を老人ホームに入れてしまうなんて」

 などと、後ろ指を指すような言葉もありました。しかし現在では、そんなことを言うもほとんどいないでしょう。介護保険制度が整備され、施設での介護は個別援助をモットーにして個人に合った接し方を目指しています。また、施設内は季節に関わらず気温が快適に保たれ、管理栄養士がいてバランスのよい美味しい食事が提供されます。それも、個人の嚥下や咀嚼の状態に合わせた調理方法で……です。

 しかしそれでも、やっぱり施設は施設。当然ながら自宅ではありません。毎日全員がほぼ同じ時間に起き(起こされ)て、何十人もの人が同じ献立の食事を同じ時間に食べ、施設のスケジュールに添った日時に順番に入浴をする。自宅と職場、あるいは学校などの移動をはじめ、施設での生活には環境の変化がありません。危険はないけれど変化もない。「まるで篭の中の鳥のような生活だ」などと感じるのは、私だけではないでしょう。

 ですから私は、仕事で関わった方々に少しでも長く在宅での生活が続けられるようお手伝いをし、家族の方にも負担が大きくならないための助言をさせていただいています。また、仕事のクライアントとして関わらなくても、相談を受けた場合には、できる限り自宅で暮らす方が良いと思うことをお伝えしているのです。

 これまで仕事では、何人もの方の自宅での“看取り”もお手伝いさせていただきました。しかしそれでも、私から「もう在宅は無理でしょう」と話をさせていただくこともあります。

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キーワード: 在宅 , 介護家族 , 認知症

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