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排泄に関するある施設の取り組み

先日、施設介護をしている知り合いから相談を受けました。その人の勤めている施設では、「オムツ外し」の取り組みをしているそうです。色々な理由で、やむを得ずオムツをあてての生活になってしまった方々。水分摂取や食事形態、運動習慣により、排泄をオムツではなくトイレで行えるようになるよう、さまざまな取り組みをしているようです。

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施設の取り組みとそれに対する疑問

 世の中には、さまざまな理由からオムツを使用している人がたくさんにます。例えば体の病気や認知症によって排泄の感覚がなくなってしまったため、オムツを使用するようになった人。

 あるいはよく言われることですが、高齢になると喉の渇きを感じなくなり、水分を摂らなくなってしまうことで水分量が不足して便秘気味になる人もいます。すると便秘でお腹が苦しいので、食欲が落ちて便秘が酷くなってしまうのです。その場合、腸閉塞等の病気も懸念されますので、ある程度のところで排便薬を使用することになるでしょう。

 こうやって少しずつ排泄の感覚がなくなってしまい、オムツを当てるようになっていきます。

 それでも水分量や食事内容の工夫、生活リズムの中でトイレへの定時誘導等を行うことにより、トイレでの排泄を可能にしようという取り組みが知人の働く介護施設で行われています。しかし知人は、この取り組みに疑問を感じていました。 理由はいくつかあるのですが、具体的には次のようなものです。

 「体を動かし運動量を増やすことでトイレでの排便が実現した利用者さんが、身体機能が向上したために、今まではほとんど車椅子に座りきりだったのに、自ら立ち上がり歩こうとするように。危なくて片時も目を離すことができず、また元の生活に逆戻りしてしまった。こんなに労力をはらい、データを取ったり集計したり。その取り組みに関わるのは1人や2人ではなく、職員の仕事量は莫大に増加して大変に疲労している。それなのに、上手くいっても逆戻りの生活……」

 こういう言い方は、差別になってしまうのかもしれません。しかし高齢になって家で暮らせなくなった人に対して、本人が嫌がることをこちらの都合で押し付けるように行うことに、何か意味があるのだろうか? と疑問を持っているようです。そのため知人は、「静かに今のまま暮らさせてあげたら良いのではないのか」と私に話してきました。

次のページは・・ 疑問から変化・進化が起こっていく

キーワード: 介護スキル , チームケア , 認知症

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