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ヘルパーの持つべきプロとしての意識とその影響

介護保険で利用できる訪問介護、ホームヘルパーは全員が有資格者です。2000年に介護保険制度がスタートするのにあわせてホームヘルパー3級から1級という資格が設けられました。その後、「介護職員初任者研修」「実務者研修」に変わりましたが、介護保険制度を利用して訪問介護をうけるお宅に訪問するには、一人ひとりが全員この資格を取得していなければなりません。今回は、そんなヘルパーという仕事について事例を挙げながら考えていきます。

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在宅復帰したものの身体が弱っていってしまった

 施設介護の場合は人員配置基準に従い、何名かの有資格者が配置されていれば全員が有資格者でなくても構いません。そのため、ヘルパーステーションは、そういった意味で高度な介護力を備えた場所だと言えると思います。しかし、そういった資格を有する職業なのにも関わらず、その業務内容が掃除や調理といった日常的内容のため、現場ではとかく低い位置にある職業として扱われ悔しい思いをすることが少なくありません。

 自宅で生活する上でなくてはならない事をお手伝いするのですが、かつては自分でできていたこと、特に資格がなくても誰にでもできる作業内容だと思われてしまうのでしょう。そんな“誰にでもできる作業”内容ではありますが、プロ意識を持って関わる事により、クライアントの状態が大きく改善した事例をご紹介したいと思います。

 Aさん(78歳・女性)は5年ほど前、口のなかにガンが見つかって2度手術を受けました。上顎を切除した事によって喉と鼻腔がつながってしまい、食べ物を飲み込むのに大変に時間がかかります。その他、舌の動きが悪いので言葉がはっきりしない、耳が聴こえにくいという障がいが残ってしまいました。それでも、一時は余命半年と診断された症状が順調に回復し、増設した胃ろうも必要ない状態までになり在宅復帰しています。

 そんなAさんは一人暮らしです。認知症はありませんが、身体の状態から「要支援2」という認定がありました。そのため、ヘルパーを週に2回利用し、まずはしっかりと食べて生活するための体力をつけてほしいと希望し、それに沿った計画が立てられてヘルパーの訪問がスタートしたのです。食事はミキサー食なので娘さんが道具を揃え、味がわからないながらも食感や彩りだけでもと色々な食材も用意しました。

 しかし、Aさんはどんどんと痩せていってしまったそうです。

 娘さんがAさんにヘルパー訪問時の様子を聞いたところ、「食欲がなく今日は何も食べたくないと言うと、ヘルパーは『わかりました』と言って部屋を掃除して帰る」のだと言います。そこで娘さんはケアマネジャーを通して、「もしどうしても食べものはいらないと言った時には、コミュニケーションを取ってほしい」と要望しました。

 舌の動きが不自由なAさんにとって、会話は大切なリハビリになります。また、一人暮らしでは会話する機会が乏しいので、認知症も心配だったのです。娘さんも週末には訪問していましたが、それでは回数に限りがあります。そのような要望を2〜3度伝えていたものの、ヘルパーの対応はいっこうに変わらず。そればかりか、慣れてきたヘルパーが来てくれなくなり、都度別のヘルパーが来るようになってしまったそうです。

次のページは・・ ケアマネとヘルパーを変えて状態に変化

キーワード: 介護スキル , ヘルパー , 自立支援

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