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ステキなインフォーマル

認知症の症状が出始めると、同じ話を何度も繰り返したり、つじつまのあわない事を言ったり。あるいは、何度注意しても季節にあわない服装をしているなど、一緒に暮らす家族にとっては気分の滅入ってしまうようなことがたくさん出てきます。

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自宅不在のお年寄り、その行き先は……

 今回ご紹介するAさんは85歳の女性。数年前から認知症の症状が出始め、同居する息子さんは一緒にいることが息苦しく、いたたまれなくなって必要最低限の時間しか家に寄り付かなくなってしまいました。仕事の有無に関係なく、朝7時には家を出てしまって夜は19時過ぎにならないと帰宅しません。それでも母親のことは心配で、おにぎりやペットボトルのお茶等を用意し置いてくれます。しかしヘルパーが訪問して安否を確認するときには、いつもおにぎりやお茶が手付かずでそのままになっていました。

 Aさんは足腰がとても元気で、スタスタと心配なく歩く事ができます。訪問時に自宅にいなくて家の周りを探していると、どこからか帰って来て夏は汗びっしょり……なんてこともありました。しかし、本人に「どこに行って何をしていたのか」と尋ねても、返ってくる答えはとんちんかん。全く生活の様子がわかりません。

 ある時は、訪問すると、前日とはうって変わって髪がきれいにカットされていたなんていうこともありました。もちろん、いつどのようにしてカットしたのか本人に聞いてもわかりません。それでも毎日訪問し、2・3週間と経つ頃には、少しずつわかってきたことがありました。それは、すぐ近所に同じ年くらいのお友だちがいて、行き来しているということ。また、たまにそちらのお宅に上がって、一緒にお茶を飲んだりしているということです。

 その日もヘルパーはAさん宅を訪ねると、玄関の鍵が開いた状態のまま留守でした。そこで、このお友だちの家に探しに行ってみたのです。Aさんは来ていませんでしたが、そのお友だちが、もう一軒よく上がり込んでいるお宅があるということを教えてくれました。そのお宅は、外国人のご夫婦の家であるということです。

 ヘルパーは恐る恐る、その外国人ご夫婦の家を訪ねてみました。すると教えてもらった通り、Aさんはその家にいたのです。そして外国人のご婦人がヘルパーを怪訝な表情で睨み(これはヘルパーの勝手な思い込みだったのだと後にわかりました)、「Aさんをどこに連れていくのだ?」と言うのです。そこで、ヘルパーは言いました。

 「息子さんに頼まれて、日中はデイサービスという所でAさんに過ごしてもらっているのです」

 その日は、デイサービスの迎えの車に乗ってもらうことができました。

次のページは・・ 年齢や国籍を超える素敵な友好関係

キーワード: 在宅 , 見守り , 認知症

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