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歯がゆい介護保険

骨折後の通院に介護サービスが使えない

 ヘルパーは娘さんが仕事に出ている夕方、毎日訪問してオムツ交換と夕食の介助を行います。そんな中、Aさんが先日足首を骨折してしまいました。原因は不明。 あまりに足が痛いと訴えるので、整形外科を受診したところ右足首の骨折があったそうです。

 寝たきりの生活が長く、また食も細ってしまっていることから、症状の改善は大変に遅い状況。1ヶ月が過ぎても、まったくギプスの取れる気配がありません。そんな中、今度は娘さんが転んでしまい、左足の小指を骨折してしまいました。娘さんによれば、痛めてみてもっとも驚いたことは、「この部分にこんなに力が加わっていたのか」ということだそうです。身体のごく一部、足の小指1本を痛めただけでこんなにも動きが悪くなり、生活が不便になるなんて予想もできなかったと言います。

 自分自身が歩くのにも、何か支えてくれるものがなければ歩けません。そのため、Aさんの日頃のお世話はとても無理だと判断し、Aさんを1ヶ月間ショートステイに預けることにしました。ここで問題になったのは、ショートステイの利用期間中、整形外科への受診は誰が行うかということです。

 施設側では入所された利用者さんについて、「施設が受診の介助を行うが、ショートステイ利用者は在宅扱いなので受診は家族に行ってほしい」とのこと。しかし娘さんは車の運転こそできるものの、Aさんを乗降させることができません。しかしヘルパーの行う福祉有償移送は、ショートステイ利用中には使えないのです。そう、介護保険では、ショートステイ利用中や入院期間中はヘルパーの派遣は認められません。あとは、民間の介護タクシーを利用するしか方法がないのです。

 Aさんの場合、出掛ける際にはショートステイ先の職員が手伝ってくれます。そのため、整形外科医院での昇降の手伝いさえあれば、高額な介護タクシーを利用しなくて済むのです。しかし整形外科医院に打診してみたものの、良い返事はもらえなかったと言います。個人の医院では、まだまだ介護について理解を得ることは難しいのでしょうか……。

 その他にも、毎週ではなく一定期間のみ隔週にしてみるなどご提案を差し上げましたが、娘さんは「それはできない」とのこと。介護を必要とする人とその家族を助けたいという介護保険制度ではありますが、まだまだ課題は多く、やはりお金がかかるのだという歯がゆい思いを経験しました。

 Aさんについては、結果的に介護タクシーを利用したことで安全に移送・受診することができ、娘さんは喜んでくださっていました。しかし、やはり費用は痛かったようです。何もかも制度でまかなうことは無理かもしれません。しかし費用の助成等でもあれば、少しは違ったのではと感じた事例でした。

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キーワード: 在宅 , 介護家族 , 介護保険制度

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