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本人の思いと家族の思い

介護の現場では、ご本人とご家族とで思いが食い違ってしまうことが少なくありません。これは、どんなに仲の良い家族でも同様です。そんなとき、私たちはどのように接し、相談に応じれば良いのでしょうか。1つの事例を取り上げながら、考察していきます。

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肺気腫の発見をキッカケに変化した状況

 Aさん(男性94歳)は、肺気腫のため在宅酸素療法で生活しています。一人暮らしではありますが、ほぼ毎日娘さんが泊まりに来てくれている状況。ヘルパーとの関わりは15年以上になります。

 ヘルパーの訪問を利用し始めた頃のAさんは、これといった病気もなく、ただ一人暮らしで少し不便だという程度でした。しかしこの15年ほどの間で、白内障の手術を行ったり軽い脳梗塞により服薬治療をしたりと、少しずつ老いと体調の変化を実感してきています。圧迫骨折の時には数ヵ月間娘さんの自宅で暮らし、「この年齢にしては奇跡の復活だね」と笑ったものです。

 Aさんも娘さんも非常に良識のある方で、どんな場面でも今どうするのがいちばん良い方法なのかを考え、迷いながらも一歩一歩進むことを考えます。その際にはヘルパーやケアマネジャーにもたくさん相談してきてくださり、私たちも一生懸命考えさせていただきます。ですので、これまでは何かが「こじれる」ということはありませんでした。

 肺気腫はかなり重症。退院する時には医師から「またすぐにでも入院になってもおかしくない状態なのだから」と言われましたが、「このまま療養しているだけならば家に帰してくれ」という本人の要望で退院が許可されました。

 しかし、少しでも悪化すればすぐに再入院です。ただし幸いな事に、一年間は悪化することなく在宅での生活が継続できています。ところが一年半ほど前に肺気腫が見つかり、数ヵ月の入院加療の末に退院してからは少し状況が変わりました。

 在宅での生活が継続できているとはいえ、とても元気というわけではありません。かなり高齢ですので、もし肺気腫という病気がなくても、何かと身体に不具合があってもおかしくないでしょう。在宅酸素療法での生活は、本人のみならず娘さんも不安いっぱいな毎日です。

次のページは・・ 本人と家族との間に生じた思いの食い違い

キーワード: 介護家族 , ヘルパー , 見守り

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