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慢性疾患を支える

リウマチやパーキンソン病など、慢性疾患を抱えて在宅での生活を送っている方が大勢います。病気の種類や病状、またご本人の年齢等によりますが、家族の手助けのみでは生活が難しく、介護保険制度を利用される方も少なくありません。そんな中、「これは自宅での生活がこの方にとって最良なのだ」と強く感じたケースがありました。その事例を取り上げながら、慢性疾患の介護について考えていきます。

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少しずつ進行する症状と周囲からの反応

 Aさん(女性・79歳)は50代前半でパーキンソン病を発症。私が関わるようになったのは、少し入院治療を行った後、在宅に戻って1年ほど経った頃です。介護保険を利用されている他の方と比べると50代という若さであり、まだ病状もそれほど重くはないと感じました。

 パーキンソン病の特徴である「オン」「オフ」の状態は日内変動でハッキリしていました。なお、ここでは薬が効いている時間を比較的よく体が動く「オン」、薬が切れて全くと言ってよいほど体が動かなくなってしまう「オフ」と表現します。本人もそれを理解しており、「オン」の状態で自分が行えること、したい事をするようにし、オムツ使用の状態ではあるものの日々を活動的に過ごしていました。

 しかし、パーキンソン病は進行性の病気です。薬の量が徐々に増え、15年経つ頃には「もうこれ以上の薬は飲めません」という量になってしまいました。少しでも薬の効きを良くするためにビタミンCの入ったドリンクで薬を飲むようにしていても、1日のうちで「オフ」の時間がどんどんと増えてしまいます。そして薬の副作用により、幻覚・幻聴が表れるようになったのでした。

 幻覚・幻聴が表れ始めた際には、たまたま尋ねて来ていた近所の人におかしな事を言ってしまい、騒ぎになりました。私が呼ばれ、近所の人に病気によるものであること、薬の副作用なのだということを説明したこともあります。それでも普段こういった病気の方と接する機会が少ない場合、「薬のせいで頭がおかしくなった」という偏見を拭いされないようでした。でも、それは仕方のない事だとも思います。

 病状はさらに進み、身体の「オン」「オフ」だけでなく振戦(体が震える事、これは発症当初からありました)が酷くなり、それに加えて体がうねうねと波をうったように動く不随意運動が顕著に表れてきました。それでも、まだ「オン」の時間には這ってトイレに行ったり、自分で箸を持って食事ができたりしています。しかしその後に表れた症状は、周りの方をかなり驚かせるものでした。

次のページは・・ 自宅だからこそできること、実現できる環境

キーワード: 在宅 , 介護スキル , ヘルパー

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