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介護保険制度改正に思うこと

身体介護の解釈に関する見直しは大きな成果

 そんな中、今回の制度見直しでとても納得できるものがありました。それが、「身体介護」についての解釈です。

 これまで身体介護は、直接身体に触れて行う行為、例えばオムツ交換や入浴介助、歩行介助といったものにのみ適用できる解釈でした。しかし今回の見直しにより次のように明文化されたのです。

 「本人の有する能力を引き出すために行う見守りや介助は身体介護にあたる」

 つまり、利用者本人が掃除したり調理したりする際に危険がないよう側で見守る行為も、「身体介護」に値するという解釈です。

 介護報酬では、身体介護と生活援助で報酬額に大きな違いがあります。旧報酬額で見ても身体介護が概ね1時間388単位なのに対し、生活援助では225単位と、1回の報酬額でも150単位以上の差がありました。今後私達のようなヘルパーステーションは、生活援助だけ行っていたのでは経営が成り立たなくなる可能性が十分にあるということです。

 しかし、生活援助が簡単なものかというと、そんなことはありません。一人の人間を介助するということにおいては、身体介護も生活援助も違いはなく、ヘルパーの能力が必要とされる行為です。ですから、今回の見直しで利用者と一緒に家事を行うことが身体介護に値すると明記されたことは、利用者の有する能力を引き出しながら援助を行うという、介護保険本来の自立支援の考え方から見ても大きな成果だと考えます。

 とはいえ、今回の見直しによって利用者の負担金額が増えてしまうことに変わりはありません。そのため、利用者にどう説明すればしっかり納得してもらえるのか、という苦慮は拭えません。週に1?2回程度の利用者ならば、支払い金額は1ヵ月あたり200?300円程度増える計算です。しかしもっと利用している人や限度額ギリギリまで利用している人にとっては、もしかしたら利用回数を減らさなければならなくなる可能性もありうるのです。

おわりに

 介護保険制度は、まだまだ発展途上の制度だと思います。安心して年齢を重ねていける為の制度を確立させるうえで、小さなことでも現場から発信し、それをもとに制度が発展してくれることを願います。

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キーワード: 介護報酬 , ヘルパー , 介護保険制度

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