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本当に認知症? 高齢者施設の認知症ケアについて考える

「認知症」と言っても、その行動障がいはさまざま。中には認知症でなく、適切な治療が必要にも関わらず認知症と判断され、症状を悪化させているケースもあります。施設として、入居されている認知症の方へ適切なケアをするには、何が必要なのでしょうか。このことについて、少し考えてみましょう。

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認知症を疑わない高齢者施設の現状

 近年、認知症ではないのにも関わらず認知症と診断され、症状を悪化させるケースが増えています。高齢者人口の増加に伴い、専門医ではない「かかりつけ医」が簡単な問診のみで診断するケースが増えていることが原因とのこと。これに対し、国も対策としてのガイドラインを発表しました。このような状況下で、私たち介護分野の人間が出来ることは何でしょうか。

(1)在宅介護の場合

 状態変化によってサービスの種類や頻度を変更・追加する必要があります。この過程では各サービス事業者が集まる担当者会議などが行われるため、比較的多くの人の目が入ることになるでしょう。たとえご家族が「認知症が進行したから動けなくなった」等と思っていても、多くの専門家の目が入ることで隠された疾病などに気付く事もあります。そうすれば、専門機関への受診につなげることも可能です。

(2)施設入居の場合

 では、すでに高齢者施設に入居されている方の場合はどうでしょうか。高齢者施設のケアを必要とする高齢者の多くが、なんらかの認知症を抱えています。よほど自立された方なら別でしょうが、入居中に何か変化があった場合は、やはり「認知症が進んだ」と職員は思ってしまうもの。認知症の診断名が付いているなら、なおさら疑うことはありません。また診断名はついていないものの、症状は少なからずあるという方が多いのも高齢者施設の特徴です。

 施設は介護職や看護師、ケアマネジャー、生活相談員などの多職種で成り立っています(施設の種別による配置基準によって必要な職種は異なります)。しかしケアが施設内で完結する、同じ職員が担当するという特性から、見方にバイアスがかかりやすいのも事実でしょう。

 認知症を疑わず、ケアを行ってしまう……これは非常に危険なことです。認知症の症状は、せん妄やうつ病による症状と似ている他、くも膜下出血などの一時的な症状や、精神疾患とも間違われる場合があります。私たちが「認知症の進行」や「認知症による機能低下」だと思っている症状が、実はそうではないかもしれない。本当は別の疾病が原因だったり、薬の副作用による症状だったり。そういった可能性を見過ごしているのかもしれません。私たち高齢者施設に勤務する立場の人間は、このリスクを常に考える必要があります。

次のページは・・ 誤ったケアをしないために、何をすべきか……

キーワード: , 医療と介護の連携 , 認知症

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