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これからの介護予防

今年2月に出た厚労省全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議による介護予防に対する見解では、従来の心身機能を改善する目的の機能訓練重視型ではなく、「活動」と「参加」に焦点をあて地域全体にアプローチすべきであるという方向転換が示唆されている。生きがい・役割をもって生活できる地域づくり、地域住民を巻き込んで展開するまちづくりとは何か? 介護予防という切り口から考えた。

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個人へのアプローチから地域へのアプローチへと変わる介護予防

 超高齢社会の到来を迎え、福祉の現場は今、大きな変革の時期を迎えている。その大きな要因の一つは、一人ひとりの高齢者が抱える問題が多問題化、複雑化していることにある。多問題を抱え、人との関わりを拒否している高齢者の問題解決のために、一人の専門職が関わったところでその心の扉を開くことはできない。必要なのは、そういう高齢者の存在を早期につかみ、私たち専門職につないでくれる「地域の力」である。

 厚生労働省 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(平成26年2月)では、これまでの介護予防の問題点を整理・分析し、これからの介護予防の考え方について以下のように触れている。

これまでの介護予防の問題点
・介護予防の手法が、心身機能を改善することを目的とした機能訓練に偏りがちであった。
・介護予防終了後の活動的な状態を維持するための多様な通いの場を創出することが必ずしも十分ではなかった。
・介護予防の利用者の多くは、機能回復を中心とした訓練の継続こそが有効だと理解し、また、介護予防の提供者の多くも、「活動」や「参加」に焦点をあててこなかった。

これからの介護予防の考え方
高齢者を生活支援サービスの担い手であると捉えることにより、支援を必要とする高齢者の多様な生活支援ニーズに応えるとともに、担い手にとっても地域の中で新たな社会的役割を有することにより、結果として介護予防にもつながるという相乗効果をもたらす。
・機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく生活環境の調整や、地域の中に生きがい・役割をもって生活できるような居場所と出番づくり等、要介護状態になっても、生きがい・役割を持って生活できる地域の実現を目指す。
・住民自身が運営する体操の集いなどの活動を地域に展開し、人と人とのつながりを通じて参加者や通いの場が継続的に拡大していくような地域づくりを推進する。
全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(平成26年2月)老人保健課関係・介護予防について(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000038326.pdf)

 つまり、「介護予防」=心身機能改善・機能維持のための訓練という発想から、高齢者が地域で役割を持ち生活できる地域(まち)の実現を目ざす。その担い手として、いままでの人生のなかで培ってきた経験をもとに、社会的な役割を担ってもらう。

 「介護予防」という考え方が、本人へのアプローチだけでなく、その「人」を取り巻く生活環境、その「人」が暮らす地域(まち)へとアプローチを広げているのである。

次のページは・・ 地域の中でそれぞれが対等に役割を担う

キーワード: 介護予防 , 地域医療

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