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聴覚からの気づき 精神疾患を患う利用者の支援で重要なこと―4

前回は、「視覚による気づき」に関して事例をもとに、それが対人援助を行ううえでどれだけ重要なことかを考えたが、今回はもう一つの「気づき」である、耳から聞いて得られる『聴覚からの気づき』に関して考えてみたい。

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相手の発した言葉の真意と感情を汲み取る

 相手の発した言葉から、何を考えているのか、あるいは何を思っているのかを気づく。

 おそらく、それは当たり前のことだし、基本的なことであろう。

 相手の発した言葉には、喜怒哀楽の感情が込められる。たとえば相手が「やめてよ」と言ったとしよう。その場合、本当に嫌でやめてほしいと言っているのか、もしくは喜んで言っているのか、いろいろなことが考えられる。「言葉とは裏腹に〜」という一説を小説等で目にしたことがあると思うが、まさしくそれである。

 また、話をしていて急に沈黙してしまう場面がある。

 「沈黙する」とひと言でいっても、ただ黙ってしまうのではなく、話の流れのなかで何か理由があって沈黙に至るわけで、理由がしっかりとある。そのため、話をただ聞いて終わりにするのではなく、相手の発した言葉の真意と感情を汲み取ることが、対人援助職として重要である。

 では具体的にどのようにして相手の真意と感情に気づくことができるのか?

感情傾向を推しはかるには、文末助詞に注意する

 私が尊敬している山田 明先生(専門学校に通っていたときに、日本福祉教育専門学校と天理大学で講師をされていた)の『ソーシャルワーク実践入門』の講義で、「感情傾向を見るには文末助詞に注意すると気づきやすい」と教えていただいた。

 文末に感情傾向が強くでる文末助詞は「〜わ」「〜ね」「〜です」「〜よ」だという。ここで実際に文末助詞を使って、わかりやすい例文を挙げてみる。

 「私は言ってないわ」「私は言ってないね」「私は言ってないです」「私は言ってないよ」……この4つの文の文末助詞の語尾を、最初は弱く読んでみていただきたい。そして次に、強めて読んでみる。どうだろうか? 強く読んだときのほうが眉間に力が入り、怒りや拒絶と言ったマイナスの感情になっているのがわかる。そもそも「眉間にしわが寄る」という言葉の意味自体が、不機嫌そうな表情をすることを意味していることから、マイナス感情であることがわかる。

 またこの中でも特に「〜よ」が強いときは、抗弁や自己主張である場合があるという。

 山田先生の教えでは、文末助詞から相手がプラスの感情かマイナスの感情かを、汲み取ることもできるという。

 次に、先月、自殺未遂を起こした方の事例を挙げたい。この方の発した言葉の、文末助詞に注意しながら、感情を汲み取っていきたいと思う。

次のページは・・ 自殺未遂を起こした利用者の感情……「〜ね」の多用

キーワード: コミュニケーション , 障がい者

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