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利用者の家族が精神疾患を患っている場合にどうするか?(後編) 精神疾患を患う利用者の支援で重要なこと―6

前回は、本人の介護をしている家族が精神疾患に患っている、もしくは患っていそうな可能性があるとき、どのように本人を支援し、なおかつ介護者と関わっていくか、また各機関と連携し支援を行っていくかについて、事例をもとに途中まで解説をさせていただいた。今回はその続きとなる後半を記載したい。前回の内容を一読されていない方は一読していただければと思う。

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地域包括での話し合いで支援が一歩前進するかと思いきや、何も進まず、不毛に終わった話し合い

 1回目の話し合いの開催が、地域包括支援センター主催で決まり、包括の会議室で行われることになった。本人が通所に来ている日なら、家から外に出ることができるので来所日に設定。話し合う時間に親戚一同が来たものの、当の長男は約束の時間になっても来ない。待つこと数十分、ようやくやってきたが悪びれた様子もなく、謝罪の言葉もなし。

 話し合いの焦点としては

 (1)長男が本人の金銭管理をしておりショートステイ等のお金も滞納し、いくら支払いを要求しても払わない。自身の趣味の物にお金を使いたいため払いたくないので、金銭搾取をされてしまい、本人が自分のために金銭を使えない状況のため、成年後見を利用し金銭管理をしてもらう。

 (2)自宅の片づけが一向に進まず、食べ物も偏った物しか食べれない、自宅ではお風呂にも入れず洗濯も満足にできない。病院の受診日に通院ができず、高血圧の薬も定期的に内服していないので、血圧もコントロールできていない。もし、何か自宅で起きた場合に救急隊員が入れなかったり、火事が起きたら、外にでることが容易ではないので、避難できずに生命に関わることなる。上記のようなことがあるため、少しずつでいいから家の中の荷物を整理する。

 (3)本人もいつ何があってもおかしくない年齢(高齢)なので、何かあった際に長男が困らないよう、今のうちから本人と長男の世帯を別にして、長男には生活保護の申請を出し、就労するための準備をしてはどうか。

 という3点に絞られた。

 親戚も、本人が思うように外に出れないことは知っていて、心配もしていたので、少しは前進するのではないか、と期待していた。

 成年後見を利用することに関しては、長男は自分の好きなように、母親のお金が使えなくなるものだから、必死に抵抗した。さらに、そのうえ知られざる驚くべき事実も出てきた。

 なんとショートステイだけでなく過去に病院へ入院したときの入院費、マンションの管理費等多数の支払いを未払いのままにしていたのだ。総額でかなりの額になるという。そして変わらず自身の趣味に関してはしっかりお金を使っており、言っていることは支離滅裂。未払いに関しても自身の理屈ばかりを主張し払う気はない。

 その話を聞いて、支援側からは、ますます成年後見を利用したほうがいいのでは? という話が出た。だが成年後見を受けるための書類を書くことに関し、長男は拒否。本人は、「息子が嫌がるなら止める。郵便局の口座にいくらかお金があるから解約すればいい」と言う始末。

 親子離れて暮らす案は、長男の荷物が部屋からなくなれば自由に外に行き来できると本人は喜んだが、長男は荷物の処分をしなければならないことがわかると、顔をこわばらせて拒否。親戚一同にもこれまでの経緯とリスクを説明したが、「大丈夫ですよ、やればできる子だから」と笑って取り合わず、話しにならない。

 結局、3時間以上話し合ったが、(1)に関しては検討していく。(2)と(3)に関してはいつものように長男は言い訳をしつつ、「荷物の整理を少しずつ行う」と、何度耳にしたかわからない決まり文句を発し言い逃れた。

 結局、何一つ変わらなかったのである。

次のページは・・ 少しずつ支払いをするようになり状況が好転したと思った矢先に事件が……

キーワード: 障がい者 , 地域包括支援センター , 介護家族

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