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麻痺があってもジーンズを格好良くはきこなす

身体の動かしにくさや麻痺が生じると、暮らしの中でこれまでとは同様にできないことが出てきます。不便さを解消するために、例えばトイレットペーパーを巻き取りから落とし紙に変える。あるいは、柄の太いスプーンを使用するなどして、方法や道具の工夫で出来なくなったことを補います。それでも「一人で出来ていたのに、なぜ……」という想いを、日々の生活の中の様々な場面で繰り返し感じることになるでしょう。希望と失望の狭間では、自分のしたいことを諦めてしまいがち。しかし地道なリハビリや諦めない気持ちで、新たな方法を模索して取り組む人たちもいます。「自分のしたいことができる生活」について、実例から考えていきましょう。

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麻痺のためについたオプション

 脳梗塞の発症では、後遺症として身体に何らかの麻痺を残すことが多く見られます。そのため杖や装具、歩行器、重度の後遺症では車いすの使用を余儀なくされてしまうでしょう。

 1人で何でも出来ていた生活から、道具に頼る生活になる。これは、とても不便なことです。杖歩行となったある70代の男性は、次のように言っていました。

 「余計なオプションがついちゃって参ってしまったよ」

地道なリハビリで不便なオプションを外す

 脳梗塞後遺症のため、左半身に軽度の麻痺をきたした70代男性。3カ月の入院後、自宅での生活を再開しました。手指の麻痺と握力低下、下肢の動かしにくさの麻痺が残りました。巧緻動作が出来ないので、ボタン掛けや衣服をつまんで引き上げるなどが不便です。衣類の脱ぎ着の工夫として、伸縮性に富んだトレーナー上下が普段着に。ズボンは上げ下ろしがしやすいよう、太くて硬いゴムに入れ替えることで、指で引っ掛けて行うように工夫しました。

 最初の1年は週3回の通所リハビリに皆勤で通い、下肢の動かしにくさと足底の接地感覚はやや改善。歩行はゆっくり安定してできるようになったので、杖というオプションを外すことに成功しました。そして2年目のリハビリ目標が、「ジーンズを履きたい」という意向に沿って決まったのです。

 20代の頃から体系は変わっていないし、ジーンズは若いときからヴィンテージ物を収集するほど好んでいたとのこと。「本来であればトレーナーの上下は着たくない」という気持ちを、入浴介助の際にスタッフに話してくれました。そこでケアチームの中で検討したこところ、適度な硬さのあるジーンズは次の動作に移る間、形状を保つことが可能なので、「麻痺があっても好都合な良い面があるのではないか」という話になったのです。

次のページは・・ ジーンズで通所リハビリに通う

キーワード: リハビリ , 自立支援 , ケアプラン

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