介護職の想いをつなぐ介護職のウェブマガジン

高齢者とおしゃれ〜周囲にも好影響を与える可能性〜

医院に併設されている通所リハビリテーションと同一建物内に居を構える介護支援センターに勤務してはや10年。朝夕の利用者さんの行き来や日々の様子が自然と目に入る毎日です。リハビリに通ってくる利用者さんの変化、曜日やメンバーによっての特徴の違いなどで気がついたことが幾つかあります。その中でも「着飾ること、おしゃれ」について興味深い事例がありましたのでご紹介いたします。

関連記事:自立支援に必要なリハビリテーションマネジメント

関連記事:楽しみを生み出す『アクティビティケア』とは?

関連記事:人生の主導権は誰にある〜3年後のオリンピックを見るために〜

介護保険サービス利用へ、若さゆえの不安と葛藤

 65歳女性、脳梗塞の後遺症で軽度の後遺症のあるAさんは杖歩行です。独歩で安定して歩くことを目指して通所リハビリの利用を始めました。

 Aさんは年齢も若く、身体機能的もほかの利用者さんたちより高いレベルを保っています。集団の中では違和感のある存在です。Aさん自身も通所リハビリの利用を検討する段階では、「リハビリのできるデイサービス」というイメージで、自分よりもずいぶん年配の介護を必要としている人たちの輪に馴染めるのか不安感を抱いていました。

 地域の中では数少ない通所リハビリテーション事業所。「リハビリをしたい」という自身の気持ちに正直に、勇気をもって通う決意をしました。事前面談や担当者会議で幾度となく服装や持ち物の確認をするAさん。明るい色の洋服を好み、自宅に居てもその身なりからはおしゃれへの興味が高いことを感じます。通所リハビリの利用は脳梗塞を発症して以降、久しぶりの外出であり人との交流なので、身なりを気にしてのことだろうと思っていました。

周りに合わせて没個性に

 Aさんの通所リハビリの利用初日が来ました。担当者会議に出席した相談員、担当ケアマネジャーは初日ということもあり通所リハビリ事業所の玄関で送迎車を待っていました。

 「Aさんは、元気に来るかな?」

 「なるべく話が合いそうな人がいる曜日を選定したけど、大丈夫だろうか」

 そんな思いが交錯します。Aさんの送迎車が到着し、他の利用者さんたちと順番に降りてきました。すると、「おはよう!」Aさんの元気な声が。しかしその姿に、相談員もケアマネジャーも一瞬目を疑いました。Aさんは驚くほど地味な装いです。

 お顔や体つきは他の利用者さんより明らかに若さが際立っていますが、いつものAさんからは予想できないような装いなのです。ある意味ではその場に溶け込んでいます。

 更によく見るといつもはしっかりお化粧をしているのにとても薄化粧。普段のお化粧も服装も決して派手で華美すぎるほどではなくとても似合っていたので、通所リハビリの場だからといって極端に変える必要はないと思われましたが、Aさんなりに悩んで初日を迎えたのかもしれません。

次のページは・・ 妥協?覇気がなくなる意味

キーワード: リハビリ , コミュニケーション , 自律

この記事はいかがでしたか?感想を残そう!

この記事の感想は?

大賛成 0
賛成 0
中立 0
反対 0
大反対 0

== オススメ介護求人 ==

みんなのコメント

コメントをもっと見る

こちらの記事もどうぞ

  1. 該当する記事はありません
ページの先頭に戻る