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デイサービスのレクリエーションは侮れない

超高齢化社会であり、少子化の我が国では介護予防・要介護状態の悪化を防ぐことへの取り組みに重点が置かれています。今後、デイサービスでも機能訓練的なサービスが提供できる事業所に報酬がより多くなるように検討されているようです。機能訓練の重要性は否定できませんが、そのため楽しみを重視したレクリエーション活動が軽視されてしまわないかについて不安を感じます。今回はデイサービスで行われているレクリエーションについて、実例を見ながら考えていきましょう。

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高齢者がデイサービスを利用する理由

 85歳、要介護1のAさん(女性)はデイサービスを利用しています。デイサービスを利用する理由は、同年代の話し相手が欲しいこと。そして、レクリエーションを楽しみたいということです。Aさんは介護更新認定の度に要介護1と要支援2を行き来している身体的には比較的元気な方です。目下の悩みは自宅に「不審者」が侵入すること。Aさんには妄想があるのでした。

 もちろんAさん本人は妄想とは思っていないので、家に知らない人が侵入している毎日に、不安と怒りの気持ちを持っています。高価な物やお金を盗られるのではなく、5枚セットのお皿の2枚がなくなる、お薬の袋からお薬情報の紙だけが盗られるといった妄想があり、物盗られ妄想というよりも「不審者から嫌がらせを受けている」と思い込んでしまっているのです。

 Aさんは不審者の侵入に困っていると話す一方で、「一見元気で幸せそうでも、人知れず嫌がらせを受けていることに耐えている」というストーリーがあるのです。このストーリーはここ3年くらい続いていて、時には警察や行政に相談をする、セキュリティ会社にお願いするなど具体的な行動を伴っています。

 相談相手、不安と怒りをぶつける相手は警察や行政に限られています。ケアマネジャーは関わって半年以上経って行政経由でこの妄想を知りました。初めて聞く人にとっては1人暮らしを続け、しっかりした口調のAさんの話はいかにも本当の話のように聞こえるので、ケアマネジャーも最初は大変驚きました。しかし、長く関わってきた行政の担当者や幾度となく自宅に呼ばれている警察官の話から、Aさんの話は真実ではないとわかったのでした。

 医師意見書では認知症のチェックは入りません。警察や行政に訴える時のAさんは、普段とは異なり目は吊り上がり、畳みかけるように話します。そして、怒りの感情の後には悲しみや不安が押し寄せるのでした。一度、主治医意見書を精神科医が書いたことがありますが、診断名は「うつ症状」でした。

 常に不安と怒りの感情を秘め、なんらかのきっかけがあれば感情が湧き出してしまうAさんが唯一、その感情から解き放たれるのは週2回のデイサービスの利用でした。

次のページは・・ デイサービスでのAさん

キーワード: コミュニケーション , ケアマネジャー , デイサービス

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