介護職の想いをつなぐ介護職のウェブマガジン

デイサービスのレクリエーションは侮れない

レクリエーションを楽しむAさん、妄想の日々の中のAさんも自分らしさがある

 Aさんは妄想があっても、その状態が良くも悪くもならず、3年間ほぼ一定のレベルを保っています。ある意味では安定しているのです。

 デイサービスの利用がAさんらしさを保つことができる絶好の場であり妄想の悪化をくい止めているのなら、要介護1ではデイサービスの利用を週2回からもっと多く増やせば良いのではないかと思われました。しかし、それはAさんの意に反します。なぜならAさんは、家に居る時間を持つことで不審者の侵入を阻止している気持ちがあるのです。

 妄想と共にある日常で家を守ること。そして、デイサービスで週2回自分らしさを発揮できる場があること。矛盾しているようですがこの両方の時間がAさんらしさを絶妙なバランスで保っているように思えました。

Aさんにとってのレクリエーションの意義

 介護の現場で行われるレクリエーションではゲームであれ、体操であれ、単に時間を過ごし楽しく終わることが目的ではありません。支援者は導入から意図的な介入や言動の引き出しを経て、目的を達成して終結します。もっとかみ砕いて表現すると、やる気を促し集中力を高め、参加者同士が影響しあえるような雰囲気を作り、誰もが主役にもなれるような誘導をし、満足感と他の活動に繋がるような余力と活力を持っていただく支援をします。

 ただし、参加者はその意図を知らないので自然に楽しみ、清々しい気持ちで「またやりたい」という気分で終えることになります。運動やゲーム形式のレクリエーションでなく、例えば手工芸でも同様です。

 Aさんは道具の準備を任されることでやる気と心地よい義務感が生まれます。作業に集中しつつ、他の利用者の様子を気にかけ、手伝いが必要な人には手を貸します。手工芸は1度では完成しないので、「ああ、もっとやりたかった。次が楽しみ」という気持ちになります。

 この繰り返しでAさんは例え日常的に辛いと感じる妄想があっても尚、家を空けることの不安よりもデイサービスに通うことへの楽しみが勝ってデイサービスを休まないのです。ただし、週2回という回数は変えられない思いが強くあるのですが……。

次のページは・・ デイサービスで行うレクリエーションは機能訓練に勝ることも

キーワード: コミュニケーション , ケアマネジャー , デイサービス

この記事はいかがでしたか?感想を残そう!

この記事の感想は?

大賛成 0
賛成 0
中立 0
反対 0
大反対 0

== オススメ介護求人 ==

みんなのコメント

コメントをもっと見る

こちらの記事もどうぞ

  1. 該当する記事はありません
ページの先頭に戻る