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雪国の介護〜巡る季節に対応できるか〜

自宅で冬を越す

 それでも、安易にショートステイに行くと決めるケースばかりではありません。環境が整い、介護の手があるショートステイの利用は、例えば急変や暖房機器からの火事などのリスクを回避できるので、家族や介護支援専門員は安心です。しかし本人にとっては、急激な環境の変化や刺激が少な過ぎたり、本人の意向と大きく違う毎日となったりすると、物忘れや認知症が進行してしまうことがあります。越冬のつもりが、春になっても家に帰ることができなくなってしまう可能性があるのです。

 介護が必要になっても自宅で冬を越すためには、どんな支援が必要でしょうか。実際のケースでは、主に通所サービスや訪問サービスを温かい期間に比べてより多く導入することになるでしょう。

 社会資源が十分にない地域では、関わるサービス提供事業所(ケアチームのメンバー)がボランティア的に行うこともあります。例えば、訪問介護では除雪はケア内容に入れることはできませんが、「自分たちが歩くため」にということで車に雪かきベラを積んでいます。サービス内容の変更は当然冬仕様になっており、ごみ捨てや灯油の給油などが追加されているのです。

 デイサービスなどの通所サービスでも、やはり送迎車に自分たちが歩くための雪かきベラを積んでいます。また、利用日でなくても毎日の送迎の行き帰りに自宅のカーテンが開いているか、電気がついているかなどの目配りを自然としてくれています。

自然発生的に周囲がしている目配り、情報収集

 介護で関わるケアチームは、高齢の一人暮らしの方の冬期間の暮らしにおいて、温かい時期とは異なる視点からより目配りを多くしてリスク回避を自然と意識しています。それでもヘルパーさんが訪問したら、自宅で倒れていたということも実際にはゼロではありません。

 あるケースではヘルパーさんが午前のケアのために訪問したところ、利用者様がベッド付近で布団を半分めくった状態で意識を失っているのを発見して救急車を要請しました。倒れてから何時間くらい経つのか、誰も分かりません。しかし毎日訪問しているヘルパーさんの「就寝時につける寝室の電球が消されていた」という話や朝ご飯のためにセットした炊飯器の保温時間の表示などから、朝方に一旦起床した後で布団に戻った際に意識を失ってしまったのではないかと推測できました。ケアプランにはないことでも自然に気配りや観察がされていること、また、普段の関わりから様々な情報を持っている人がいると、独居でも暮らしぶりが予測できます。

 介護が必要となっても、地域で自立して暮らしていくことを目指している社会。しかし少子高齢化によって、理想が理想で終わってしまう地域もあるのではないでしょうか。自然発生的に社会資源となり得る地域住民の見守りができている地域もありますが、このケースのように結局は介護保険サービスの利用、ケアチームの内の見守りしかない場合もあります。

次のページは・・ まとめ

キーワード: 在宅 , 独居 , 見守り

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