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義理の母と嫁〜夫の死や子どもの自立を経てわかった存在の大きさ〜

長年ケアマネジメントの仕事をしていると、出会う世帯の形はさまざまです。そして、支援しているうちに世帯の形が変化する場合もあります。今回は、義母とお嫁さんの2人世帯のケースを交えながら考えてみます。

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夫が病気で他界

 50代のAさんは夫が急病で突然亡くなり、高校生の娘さんと義理のお母さんとの3人暮らしが始まりました。Aさんは保育士として働いており、夫は亡くなるまで先代から引き継いだ商店を営んでいました。夫が亡くなったことで店は閉めることになりましたが、Aさんにとって最大の心配事は義理の母の存在でした。

 義母にあたるBさんは、2年ほど前から物忘れが増え始め、最近アルツハイマー病と診断されました。誰かの助けがあれば自分でできることも多いので、Aさんの夫が亡くなるまではよく一緒に店番をしていたようです。「これからお義母さんのお世話をどうしていこう」と、Aさんの頭の中は不安でいっぱい。娘は大学進学を希望しており、Aさんが仕事を辞めて面倒を見るわけにも行きません。

 Aさんはこれから義母であるBさんのお世話を始めるにあたって改めて置かれている状況を考えてみました。するとBさんがどのくらい物忘れがあるのか、日中はどんな様子なのか、自分が把握していないことに気が付きました。

できそうでできないことが多い認知症

 体は変わらずに動かすことができ、物忘れがあっても会話ができる義母の姿を見ていると、Aさんの目にはそれほど認知症があるようには見えませんでした。もちろん、大事な一人息子を亡くした落ち込みようはひどく、見ていて痛々しいと感じるほどです。しかし、そのせいで寝込んでしまうといったことはありませんでした。

 仏事がひと段落した頃には、むしろ「息子が亡くなってしまって、お嫁さんや孫に苦労をかけてしまう。これからは私がしっかりしないといけない」と自ら言うほどだったと言います。その言動から、Aさんは「日中の留守番くらいは一人でできるのではないか」と考えたのです。

 まもなくAさんは仕事に復帰しました。家で留守番をしているBさんのお昼ご飯は、朝食の残りやAさんが作り置きしておいたものを温めて食べてもらうことにしました。薬はテーブルの上に置いておき、Aさんが帰宅すると食事も薬もいつもなくなっていたそうです。

 「なんとかこのままやっていけそうだ」と、Aさんは胸をなでおろしました。しかしある日Aさんが帰宅するとお米を炊いた形跡がありました。Bさんが自分からお米を炊くなど1年ぶりのことです。恐る恐る蓋を開けてみると、水が多過ぎてうまく炊けていません。高校生の娘さんによると、「おばあちゃん、お昼ご飯は3時ころに温めないで食べているし、薬はベッドの下に封も切らないでたくさん落ちているよ」とのこと。Aさんは驚き、すっかり不安になってしまいました。

次のページは・・ 現実を目のあたりにして

キーワード: 在宅 , 介護家族 , 認知症

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