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介護老人保健施設が抱える課題―在宅復帰・在宅支援は本当に利用者にとって喜ばしいものなのか

在宅復帰・在宅支援を進める老健の役割

 しかし冒頭で述べたように、今後、在宅復帰・在宅支援に舵取りを進める老健が多くなることは必至です。そうなると、老健は在宅復帰を求める利用者以外のニーズに沿わなくなってしまうのでしょうか。

 実際、すでに在宅復帰を強化している老健には、例えば「いずれ在宅復帰することを条件」として利用しなくてはならない施設もあります。しかし、ただ全てを一緒くたに「在宅復帰しなくてはならない」と決めているわけではありません。在宅復帰する利用者自身はもとより、その方を支援する家族やサービスなど、ほとんどの施設でそれら全ての状態を見ながら在宅復帰を進めるよう取り組んでいます。

 また、老健には施設医師の配置のほか、看護師も他の入所系施設より(利用者一人あたり)多く配置されることが定められています。そういう意味では、医療依存度の高い利用者が入所することも可能でしょう。そして、老健の加算の中には看取り介護の加算も定められています。老健だからといって、何がなんでも在宅復帰しなくてはならないというわけではありません。利用者それぞれのニーズや状態に合わせて、長期利用することも可能です。

まとめ

 在宅復帰・在宅支援は、利用者にとって必ずしも望んでいるニーズとは限りません。中には、ずっと施設にいたいと思う方々もいらっしゃいます。

 もちろん「自宅に帰りたい」と願う方は、老健でリハビリや生活支援を行い、再び自宅での生活に戻ることが喜ばしいゴールになるでしょう。利用者それぞれのニーズに沿った形で柔軟に対応することが、今後も老健に求められる役割ではないでしょうか。そして同時に、そこで働く職員も、自分の働く老健がどこに舵取りをするのかを明確にしながら働いていくことが、働く意義や目標になっていくはずです。

 *平成30年度介護報酬改定に関する審議報告 厚生労働省

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キーワード: 老人保健施設 , 自立支援 , 介護保険制度

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